今日は、木曜日です。
「つれづれに」のコーナーです。



漫才コンビ・カラテカの矢部太郎と「ピーター」こと池畑慎之介が、
両主演のホームレスを描いた作品です。

矢部が演じるのが、会社を辞めてホームレスになった青年・尚樹。
かれの眼を通して、河川敷のダンボールハウス村で暮らす人々の生活が語られていく。

そして、ある日、ピーターが演じる先輩ホームレスのユウさんが、
突然「旅に出る」と言い出し尚樹がかれについていくことに。

都心を彷徨いながら、ホームレスとしての生活テクニックを学び、
それだけでなく、ユウさんのかかえる問題とも一緒に体験することで、
尚樹は、人間的な成長をしていきます。

日々淡々と過ごしていくだけの話で、なにか人生に目標があるわけでなく、
夢に向かって進むわけではないのですが、
そこにはやはりヒューマニズムがあるわけです。

ホームレスには、ホームレスの哲学があり、
一人ひとりの人生ドラマがあるわけです。

その脇を固めるのが、片桐はいり、木村祐一、温水洋一、
板尾創路といった強烈個性の共演陣と、かなり引き込まれます。

いちいち尚樹が、写メを撮っていくのですが、
実はそれが、その瞬間その瞬間を、大事に生きてく姿だということに、
後になって気がつきました。

人生の夢や目標を持って、未来志向で生きていくのが、
ポジティブ思考かもしれませんが、刹那的とはいえ、
一瞬一瞬、そう、たったこの今を生きている姿こそ、
本来、人のあるべき姿なのかもしれないと、
考えさせられるのです。


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