今日は、火曜日です。
「経営ノート」のコーナーです。


平成21年2月16日に、松本において、日高義樹氏を講師に招き、
「今後の世界情勢と日米関係」と題して開催された講演会のダイジ
ェストを5回にわたって掲載いたします。

日高さんの著書と合わせてご覧頂くと、より理解が深くなります。



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■5.石油問題

中東のプリンスたちが、「イスラエル軍をガザから撤退させろ」と
いう一声で、今回のアメリカは軍事的に動いている。

石油の1日の産出量が約8900万バレルで、1億バレルの消費に
なったときに、1バレル=140ドルになった。いまは、景気後退
で8500万バレルまで下がり、そのため1バレル=35~40ド
ルになった。

長期的には、経済が回復すると石油高になるであろう。その石油の
価格も、いままではアメリカの管理であったが、弱体化によりアメ
リカ支配ではなくなるであろう。

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■これからの日本は

かつては、アメリカの力は強大であった。1944年ブレストンウ
ッズからドルは、世界の基軸通貨になり、ウォール街の仕組みは、
実質、1960年にケネディ大統領時代に作られたのだ。

それは、テクノロジーと知恵で世界を動かすということで、世界経
済や世界金融まで様変わりした。1994年のWTOまでは、アメ
リカは世界の最強国であった。

これからのアメリカは自分の国のことだけを考え、どうお金を使う
か考えていくであろう。外貨獲得の時代ではないとも、わかってい
るのだ。

その一方で日本は、農業といっても米以外は作れない農業でしかな
い。1ドル=360ドルが、ニクソンショックで240円に切り下
げられ、1987年のプラザ合意で140円、いまでは90円にま
でになった。

では、なぜ日本円が高くなるのか?

日本は軍事力を持っていないからだ。だから日本の安全を守ってい
るアメリカが、レートを操作してきたのだ。軍事力と政治は、ずっ
とアメリカにまかせておけばよかった。

いまのアメリカは、「バイアメリカン条項」で保護主義に傾き、こ
のままでは、米労働組合と中国との戦いになってしまうであろう。

アメリカはまた、日本から車を買わないために、日本円を高くする
であろう。そこには、国内を守らないといけないという、保護主義
的思想があるのだ。

アメリカが政治的な力をなくして、世界的なアメリカの利益と日本
の利益が減ってきているのだ。

これからは安いものを作り、一生懸命働き、お金を貯蓄するだけで
はダメである。そして、アメリカに頼り切った政治をどう変えてい
くか?

これからは、「1の世界」から「1.5の世界」になっていくであ
ろう。1の世界とは、ドル優位のアメリカの1国体制のことである。
そこに、中国とEUの0.5が入ってきて、1.5の世界になって
いくであろう。

他にも考えなくてはならないことは、アメリカにばかり頼りきった
食糧問題を、今後どう国内で生産するのか。石油依存を、どうして
いくのかということである。

もちろん、「いつ景気が回復するか」を待っている考えは、すでに
古い考えなのだ。


(おわり)


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