こころと脳の対話 6
今日は、木曜日です。
「つれづれに」のコーナーです。
●現代人の不安の根本原因
いまの時代が大変と思うのは、個人の責任が重くなったことです。
ひとむかし前なら、個人で考えないで、坊さんや仏さんが考えて、
お任せしておけば、極楽に行けたはずだったのです。
いまは、誰もそう簡単にいかないのです。そう信じられないから、
自分で考え出すしかないのです。だから、いまの時代は本当に大変
です。それをユングはおもしろく言っています。
「現代人はイライラするのが当たり前。自分の向かう目的地を何も
知らないから」。目的地は死です。ところがむかしの人は、極楽行
きとか知っていました。しかしいまの人は、それがわからないで逝
っています。だからイラつくのです。
むかしの人は、生きるために苦労していました。飢え、病気、動物
に襲われるとかがあって。でも死んでからのことを、みんな知って
いたのです。だから安心していたのです。いまは逆です。生きるた
めに苦労はないが、行きたいところに行ける。でも、極楽切符は買
えないのです。
●「関係性」を扱う科学は生まれるか
科学と科学で扱えないものは、どこかで遠い将来には流れが一緒に
なるかもしれないです。近代科学は「分ける」ことから始まってい
ます。「関係性」を大事にすることです。これからは、「関係性を
科学する」が、だんだんでてくるでしょう。
そうすると、どこかで一致するものです。宗教的なもの、科学的な
ものが接点を持ってきます。宗教と科学が接点をもつとき、強力な
のは仏教でしょう。
なぜなら、仏教は絶対者を立てないところです。ところがキリスト
教やイスラムは絶対神という一神教です。仏教は、自他の認識から
始まります。問題の答えを与えるのではなく、問題を共有するとこ
ろです。
仏教は答えを与えるのではなく、「生きるってしんどいね」という
問題からスタートしています。
関連することで、釈迦は死後について問われたとき、「そういうこ
とには答えがない」といいました。答えをすぐに求める傾向は、現
代の深刻な病でしょう。それに、言葉や細部に引きずられる。
みんなその判断が早すぎるのです。もっと悪いのは、みんな違うの
に、数字で順番をつけたがることです。分けているだけなのに、錯
覚を起こすのです。そのひと全体としてみることが大事です。
グローバリゼーションといっても、文化まで普遍的に一元化できま
せんむしろ、これからは文化は多様化するでしょう。
●「わかった気になる」落とし穴
河合先生の精神分析は、他者はわからないものだを前提にやってい
ます。わからないものは、わからないものだからです。しかし、い
まは、わからないではすまされない。原因結果で考えるのが、好き
な人が多いからでしょう。
簡単にいうと、これだけ世の中が便利で豊かになって、ちょっと上
手にやったら幸福になれるのに、幸福になり損ねている人が多すぎ
るように思えます。モノやお金があるのに、不幸になっている人が
多いのも、たしかでしょう。
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