今日は、水曜日です。
「本」当におすすめのコーナーです。




わたしが10年前の1999年に、に書き記した感想文です。
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自分の4~5才の潜在記憶を淡々と綴ろうと思いました。そうする
と、書いていくうちに、「おふくろの不在」に気がつきました。

実際には、おふくろと接してきているはずなのに、おふくろと一緒
に遊んだ想い出が案外ないのです。どうしたことだろうと考えて、
ふと本屋に行き、たまたま、斎藤学(さいとう さとる)の「封印
された叫び」の第一章に、「母の記憶が欠如した人生」なんてある
もので、ついつい買ってきました。

もっとも、この斎藤学さんは、まえまえから知っていました。トリ
イ・ヘイデンとの対話(トリイは「シーラという子」の著書で、日
本では知られた)で知っていました。

河合隼雄さんが「心理療法士」であるのに対し、この斎藤学さんは、
どちらかというと、その河合先生が手に負えない、精神病院に行く
くらいの人と接する精神科医なので、非常に話が重い。しかし、さ
らさらと2/3くらい読みました。

まだ、うまくかみ砕いていないので、大まかな話になります。

忘れていた幼児期、児童期の両親から、または養父・母からの、
「児童虐待」や「性的虐待」が、ふとしたきっかけでフラッシュバ
ックして思い出す。しかし、記憶というのは、とくに20-30年
前となると、結構、現在の自分の都合のよいように書き換えられて
いるので、どこまで正しいかわからない。

そうなると、その記憶が事実か想像なのか見分けがつかない。しか
し、本人にとってはトラウマ(心的外傷)になっているので、生活
に支障をきたす。それを精神科医はカウンセリングするのだが、進
めるうちにどんどんと心の傷が鮮明になる。そうすると内容が内容
だけに、過去の思い出が、犯罪扱いのようになってくる。

ここで問題なのだが、記憶自体は物的証拠能力がない。そして、そ
の記憶は事実なのか想像なのか、イメージの混合なのか分らない。
その加害者である人を問い詰めても、否定したり挙げ句のはては、
名誉毀損で逆に訴えられそうになったりするのである。しかし、患
者のトラウマは生活に支障をきたしている。もう、悪循環である。


その上、アメリカではその記憶を呼び起こした精神科医が、そもそ
も事件の源という扱いをされたり、訴えられた親の擁護団体まで発
足しているという状況だそうだ。いやはや、驚きである。


たまたま、「おふくろの不在」という個人的な記憶の呼び起こしか
ら、生じたことでこんな本を読むことになったが、驚きである。ま
してや最近の精神分析の最前線の話であるし。

それでも、自分なりに「境界例」や「リストカット」の症例は、読
んできたつもりであるが、この「児童虐待」や「性的虐待」となる
と、なかなか本人がスピークアウトしない限り出てこないので、現
実には氷山の一角なんだろうし、トラウマの度合いが非常に深い。


特に女性の場合が多いようなので、なんか気の毒になった。単に、
気の毒で片づけられる問題ではないが・・・。

もっとこういう事実を知っていかなくては、と思った。かといって
自分に何ができるか分らないが、こういうことを調べたり、伝えた
りして、再発防止につながれば。また、遭遇した時に適切なことが
話せるようにと思った。


いま、ホームページでも、結構心理学の関係がある。大部分は性格
占いや性格分析である。それも、自分を知る手がかりになり、また、
自分をよりよくしたい上昇志向の現れでいいと思う。

しかし、現実は心理学の世界では、水面下でこんなこともあると知
って、それを人に伝え、また、自分がそうならないよう、加害者や
被害者にならないよう、心がける必要があると思った。

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