今日は、水曜日です。
「本」当におすすめのコーナーです。
小川洋子さんが作家として、深い自問の迷路にさまよっているとき
に、「偶然」、「うまいこと」、河合先生の著書とであっています。
そして「物語」の持つ本質的な意味を知るわけです。
それは、自分が作家として物語の創造主ではなく、既にそこにある
物語を書き写し、登場人物をサポートする脇役でしかないことを、
感じとりました。
これは、河合先生が倒れられる直前に、奇跡のように実現した、貴
重な最後の対話です。
■魂の定義。
心は1から2で、体は2から3とする。その間は無限。それを分け
ると大事なものが飛ぶ。それが魂の定義。その魂と魂を触れ合わせ
る人間関係で大事なのは、死ぬものということを共有すること。お
互いの死を共有していれば、お互いに尊重できる。それが、永遠を
感じる至福のとき。
■河合先生との出会いで成長
小川洋子さんが、ちょうど自分が作家としての存在について、果て
しなく深い自問の迷路にさまよっているときに、たまたま「偶然」
に、「うまいこと」、河合先生の著書とであっています。
そのなかで、「物語」の持つ本質的な意味を知るわけです。いたっ
て自然科学の見地に立つ医療現場において、「物語」という論理的
ではない媒体によって、人の深く傷ついた迷走するこころが、現実
の世界と折り合いをつけていく世界。
それは心理療法家という先生の力というより、先生が脇役になって、
患者という主役の内的能力をサポートする。
その姿に小川さんは、自分が作家として物語の創造主ではなく、既
にそこにある物語を紡ぎだし、というより書き写し、その物語に登
場する人物が、それぞれ生を持って現実とかかわってくることをサ
ポートする脇役でしかないことを、感じとりました。
それは、とても大きなパラダイムの転換であり、作家として成長し、
自由になり、またその責任の重さを痛感したのでしょう。
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