今日は、水曜日です。
「本」当におすすめのコーナーです。




東山さんのこの本との出会いは、よく覚えてないのですが、心理学
とか、カウンセリングに興味を持っていたので、購入したのだった
と思います。

何気に買ったのですが、どうやらそれまで読み続けていた、河合隼
雄さんのお弟子さんだったことが、後からわかりました。また当時
読んで、それほどよく理解してなかったのがよくわかるのが、最近、
ロジャースさんの療法を習ったおかげです。

来談者中心療法という、非指示的療法を知ることで、この東山さん
のこの著書が、いかに分かり易く、ロジャース流を紐解いてくれて
るのかがわかりました。


*以下を読むと、ロジャース流儀がほとんど解ってしまいます。
 が、惜しげもなく、掲載しちゃいます。

■傾聴の原点

この本では、人間関係を良好にするために、「聞き上手」になろう
ということを唱えていますが、ロジャース流の丁寧な解説本に、十
分なっていると思います。

また最近のコーチングのベースにも、通用する内容です。このベー
シックをきちんと押さえておけば、単なる「聞き上手」ではなく、
カウンセラーとしても通用するほどの内容を網羅しているのです。
この本では出てきませんが、現在の「傾聴」の原点だと思いました。


■非指示的療法

まずロジャース流で一番誤解を受ける、非指示的療法ですが、この
本では、とてもわかり易くなっています。「聞き上手は話さない」
ということです。

しかし、全く話さないのではなく「自分のことは話さない」という
ことなのです。また非指示といっても、助言がゼロということでな
く、「情報以外の助言は無効」ということであり、「聞かれたこと
しか話さない」ということなのです。


■自己一致

聞き手自身が、自分の中の経験を否定しないで、自分自身と一致し
た状態を要求されます。それは簡単に言えば「嘘はつかない、飾ら
ない(オープンということ)」で、その態度があって、「素直に聞
くのが極意」ができます。また自分について「言い訳しない」し、
「説明しない」しないことです。


■受容的態度

無条件の肯定的配慮が大事なのですが、それは相手の話したことに
対して、まずは「相づちを打つ」こと。それも「相づちの種類は豊
かに」、そして「相づちはタイミング」が必要です。

ときおり話し手の感情が出たときには、相手の言葉をくり返すこと。
それも自分の言葉でなく、相手の言葉通りにです。「教えるより教
えてもらう態度で、素直に聞くのが極意」です。また「聞き上手に
は上下関係なし」という、平等的な関係が必要です。

話し手にとって、「したくない話ほど前置きが長い」ので、聞き手
としては、探りたくなるのですが、「聞きだそうとしない」ことで
す。あくまで「LISTENせよ、ASKするな」です。

そして、どんな話だとしても「評論家にならない」ことです。きち
んと話し手に関与しながら、「寡黙と『いま・ここ』の感覚」を持
ちます。


■共感的理解

話し手の私的世界を、あたかも自分自身のように感じとるのです。
それは「共感」なのですが、まず相手に起こっていることは、あな
たに起こっていることではなく、自分が主体ではないけれど、相手
と同じレベルになることです。

しかし、「共感とは芝居上手」なのです。でもフリではなく、傍観
するのでもなく、「相手の話は相手のこと(わかるが勝ち)」なの
です。

なぜなら「他人のことはできない」からです。とはいえ「相手の話
に興味をもつ」姿勢で、「話し手の波に乗る」のです。


■訓練が必要です

こう書いていくと、とても難しいですよね。やはり訓練が必要なの
です。そうは言っても「真剣に聞けるのは、一時間以内」です。

聞くことには秘密が多いのです。「秘密の話には羽がある」ですか
ら気をつけます。そしてすべて秘密にしていると、自分が壊れてし
ますので、「避雷針になる」ことです。地球にアースしてしまいま
す。

その点「昔の主婦は聞き上手」でした。それ秘訣は、井戸端会議に
あったようです。そして、「沈黙と間の効用」が解れば、上級者と
して終了証をもらえるそうです。


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