2013/05/07
今月のことば
栄西の仏教書「興禅護国論」(こうぜんごこくろん)の一節。
栄西は、鎌倉時代初期、日本に臨済宗を伝え広めた僧侶
栄西が禅の布教にあたったとき、南都北嶺より激しい攻撃が加えられたのに対し、禅宗の要目を論じた著作。栄西にとっては主著にあたり、「日本における禅宗独立宣言の書」とも評される。
「大いなる哉 心や
天の高きや 極むべからず
而も心は 天の上に出ず
地の厚きや 測るべからず
而も心は 地の下に出ず
日月の光や 踰ゆ*1べからず
而も心は 日月の明の外に出ず
天地 我を待ちて 覆載し*2
日月 我を待ちて 運行し
四時*3 我を待ちて 変化し
万物 我を待ちて 発生す
之を 最上道 と名づけ
また 無上菩提 と名づけ
また 正法眼蔵 と名づけ
また 涅槃妙心 と名づく」
中村天風は『運命を拓く』の中で、この仏典の言葉で悟れた、と書いている。
*1 踰ゆ(こゆ)
*2 覆載(ふくさい)→この世にあるすべてのものを天がおおい、地が支えていること
*3 四時(しいじ)→四つの季節
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長野県松本市にある司法書士 古川綜合事務所の所長ブログです。