今月のことば
栄西の仏教書「興禅護国論」(こうぜんごこくろん)の一節。
栄西は、鎌倉時代初期、日本に臨済宗を伝え広めた僧侶
栄西が禅の布教にあたったとき、南都北嶺より激しい攻撃が加えられたのに対し、禅宗の要目を論じた著作。栄西にとっては主著にあたり、「日本における禅宗独立宣言の書」とも評される。
「大いなる哉 心や
天の高きや 極むべからず
而も心は 天の上に出ず
地の厚きや 測るべからず
而も心は 地の下に出ず
日月の光や 踰ゆ*1べからず
而も心は 日月の明の外に出ず
天地 我を待ちて 覆載し*2
日月 我を待ちて 運行し
四時*3 我を待ちて 変化し
万物 我を待ちて 発生す
之を 最上道 と名づけ
また 無上菩提 と名づけ
また 正法眼蔵 と名づけ
また 涅槃妙心 と名づく」
中村天風は『運命を拓く』の中で、この仏典の言葉で悟れた、と書いている。
*1 踰ゆ(こゆ)
*2 覆載(ふくさい)→この世にあるすべてのものを天がおおい、地が支えていること
*3 四時(しいじ)→四つの季節
木村政昭著 『東海地震も関東大地震も起きない』
『東海地震も関東大地震も起きない! ~地震予知はなぜ外れるのか』 木村政昭著 宝島社
本書は、筆者が平成23年8月に出版した「富士山大噴火」に大幅な加筆・修正を行ない、最新情報を集録して書籍化したものである。
筆者は、東日本大震災を予測した海洋地震学者である。
筆者の独自の解析方法により筆者は、「東海地震も三連動地震も、首都直下型地震も起きない」と言い切っている。
筆者は、「プレートテクトニクス」学説に基づき地震と噴火はプレートの移動によって起こるとし、日本周辺のプレートと、地震・噴火の関係を分析して東日本大震災を予測していた。
独自の「地震の目」理論からすると、2015年までに富士山が噴火すると予測しており、政府が言っている「今後30年以内にM8程度の東海地震が発生する確立は87%」はありえないとしている。
様々な資料に基づく筆者の理論は、毎日報道されている地震噴火情報を総合的に理解するための一助となる。
筆者の関連書籍
『富士山大噴火! 不気味な5つの兆候』 宝島社
『検証! 首都直下地震』 技術評論社