2013/02/01
「逝き方」
年末から続いている寒波の影響があるのだろうか、ここにきて知り合いの方々の訃報に接することが増えている。
先日、立て続けに2人の被後見人が亡くなった。家族や身寄りが居ない人の後見人を引き受けるケースが多いのだが、亡くなった2人の被後見人にも身近な家族が居なかった。1人は病院から直接火葬に付され、葬儀を行うこともなくお寺に安置された。もう1人は、施設生活が長かったため仲間も多く、施設の希望で告別式も執り行われた。施設の友達や関係者約30人が参列し、涙を流しながらの告別式だった。たまにお会いすると、はにかみながら、ぼそぼそと話していたその姿が私の脳裏に焼き付いている。
亡くなる前に2人とも入院して治療をうけたのだが、医者からどこまでの治療をするのか聞かれ、「後見人には医療同意権はないのでそちらで判断してください」と杓子定規に断っている自分が情けなく思えた。人の生き死の前で法律がどれだけの力を持っているのか、身内が居なければせめて関係者の合意で対処出来るようにしてもらいたいものだ。
今の私の考えは、「人には寿命がある、いつかは死ぬ」という前提で、なるべく自然な状態でその人の人生を終わらせてやりたいと思い、基本的には延命措置はとらないことにしているが、これで良いのか迷うことが多い。平穏死についてももっと勉強して周りの人と認識を共通にしたいところだ。
長野県松本市にある司法書士 古川綜合事務所の所長ブログです。