「いのちの根」-相田みつを-
なみだをこらえて
かなしみにたえるとき
ぐちをいわずに
くるしみにたえるとき
いいわけをしないで
だまって批判にたえるとき
いかりをおさえて
じっと屈辱にたえるとき
あなたの眼のいろが
ふかくなり
いのちの根が
ふかくなる
『刑務所の中の中学校』36、37頁より
旭町中学校桐分校教諭 角谷敏夫(すみやとしお)著
角谷先生は33年間桐分校の担任を勤め、毎時間のはじめ生徒に順番にこの詩を朗読してもらいました。
・ 松本市立旭町中学校「桐分校」は全国で唯一の刑務所の中にある中学校。
・ 昭和30年に開校し、以来平成21年度の第55回生までで卒業生は691人を数える。
・ 桐分校では、毎年10月に法務省矯正局を通して全国の刑務所62施設、少年刑務所7施設といくつかの支所、拘置所7施設で生徒を募集し、4月から1年間授業が実施される。
・ これまでの学生の年齢は17歳から67歳まで。当初は「少年刑務所」だけが対象であったが入学者が減少したため平成9年からは年齢の規定は設けていない。
・ 入学者数は、昭和30年代は平均24,4人、昭和60年から平成6年の10年では11,5人とだんだん減少し、平成17年から21年までの平均は8,6人である。
(応募資格)
① 義務教育未修了であること
② 行刑成績が良好で、真摯に学習意欲があること
③ 心身ともに健全であり、体育実技に耐えうる程度の体力があること
④ 翌年の3月末まで出所見込みのないこと
⑤ 無期刑受刑者については、その刑期が10年を経過していること
(桐分校の教育目標)
① 落ち着いてしっかり勉強しよう(学習生活の確立)
② すすんで考え、すすんで行動しよう(自主性の確立)
③ 協力して楽しい桐分校にしよう(社会性の確立)
④ 健康な身体を作ろう(健康生活の確立)
⑤ 勤労精神を涵養し、働く喜びを体得しよう(勤労精神の涵養)
→涵養(かんよう)自然に水がしみこむように徐々に養い育てること