2010/12/04
5歳の誕生日を迎えられずに、はじまったばかりの人生を終えてしまう子どもは、年間810万人。
その3分の1以上が「肺炎・下痢・マラリア」の3つの理由で命を落としています。
せっかくうまれてきた妹が
肺炎に・・・。
バングラディッシュのベグムの妹は、お母さんのおなかにいるときに栄養が足りなかったため未熟児で生まれました。体の抵抗力が弱いために、風邪をこじらせて肺炎にかかってしまい高熱が続いています。早く治療が必要です。力なく横たわるわが子を見て、お母さんはあわててお乳とあげようとしましたが、自分も満足に食事をとっていないため、母乳が出ません。最寄の診療所までは歩いて何日もかかるのです。世界では、毎日約3,100人の子どもたちが肺炎で命を落としています。しかし、直接の原因が肺炎であっても、そこには「栄養不良」が深く関わっています。栄養不良は免疫力の低下を招き、病気からの回復の妨げとなります。さらには合併症を引き起こし、多くの子どもの命を奪っています。アフリカや南アジアなどの開発途上国では、肺炎にかかった子どもの6割が十分な治療を受けることができません。
きれいな水がなくて・・・
幼いイラクの男の子は、汚れた池の水を飲んでおなかをこわしています。透けるかのような薄い、白い肌から骨が浮き出して見えます。まだ、ほんの小さなこどもなのに、その肩には世界中の苦しみを背負っているかのよう。たび重なる下痢で、深刻な脱水症に陥っています。村にはまだ井戸がありません。汚れた水を沸騰させる薪を買えない家庭も多く、子どもたちはひんぱんに下痢に苦しんでいます。世界では、毎日約3,100人の子どもたちが下痢による脱水症で命を落としています。井戸や、トイレなどの衛生施設がないこと、寄生虫の万英、紛争による保護施設などのインフラの破壊や人の移動・・・。こうしたことすべてが下痢性の病気を引き起こす原因となり、子どもたちの命と健康を脅かしているのです。
蚊に刺されただけで
リベリアのメンディン(2歳)は、蚊に刺されてマラリアにかかってしまいました。額から流れ落ちる玉のような汗と、瞳からあふれてとまらない涙。容赦ない頭痛と、間接の激しい痛みに襲われています。幸いメンディンは感染の初期に診療所に運ばれ、命をとり止めることができました。でも治療がもう少し遅かったら命を落とすところでした。世界では、毎日1,700人の子どもたちがマラリアで命を落としています。マラリアにかかると高熱や嘔吐がつづき、高い確率で意識障害や腎不全などを起こし、死に至ります。マラリアで死亡する子どもの80%がサハラ以南のアフリカに集中し、アフリカでは、今も30秒にひとりの割合でこどもがマラリアで命を落としているのです。
[データ文章出典:日本ユニセフ教会HP]