燕山荘 スタッフブログ
美しい初冬の景色。
2017/10/31
厳しい寒さと風雪の一日となった昨日から、一夜明けると息を飲むような美しい光景が広がっていました。夜明け前、西の空には美しいビーナスラインも現れていました。気象条件が厳しきなればなるほど、その後に見られる景色は美しさを増していきます。
昨日の厳しい風雪によって、美しい霧氷が形成されました。朝日が昇るとその霧氷もキラキラと赤い色に染まり、感動的な日の出を見ることが出来ました。昨日の朝より寒さは若干緩んで、マイナス8℃くらいでしたが、なかなか厳しい寒さでした。
積雪量は前回の台風直後よりは、増えませんでしたがこの気温ではなかなか雪も解けないことでしょう。日中でもプラスになることはありませんでした。気温の上昇が鈍かった分、木々に付いた霧氷は午前中いっぱい楽しむことが出来ました。
寒い一日でしたが、日差しがあるところは寒さも幾分緩んで、太陽の光のありがたみを感じました。そして、雪で白くなった山々は美しく輝いていました。
今日は水源地に水場の閉め作業に行ってきました。この周辺もすっかり雪景色となっています。今シーズン、燕山荘の水を供給してくれたポンプと枯れることなく湧き続けた水源地に手を合わせ、お礼を言って戻ってきました。今日からは今タンクに貯めてあるだけの水での生活になります。水が非常に貴重なものとなってきました。
好天に恵まれた今日は初冬の美しい光景が広がり、とてもいい一日でした。その最後となる日の入りもまたきれいなものでした。
河地
真冬の寒さ。
2017/10/30
台風通過後、冬型の気圧配置となり強い寒気が流れ込んできました。そして、昨日の雨で雪はすっかり解けてしまいましたが、再び真っ白な世界へとなりました。
今日の日中は風雪模様となり、なかなか厳しい気象条件となりました。中房辺りでも初雪となったようです。今回の積雪量は前回ほど多くはありませんでしたが、第3ベンチ辺りより積雪があったようです。小屋周りでは15cmくらいでしょうか。とにかく今日は厳しい冷え込みで気温はどんどんと下がっていき、19時現在でマイナス9℃まで下がってきました。岩には氷が付き、木々には霧氷がびっしりと付いていました。まさに真冬の光景です。明日は天気は回復してきそうですが、今日以上に気温は下がりそうです。これから冬へとなっていきますが、麓の街の天気予報が晴れであっても冬型の気圧配置の場合、稜線では吹雪の可能性も出てきます。山の上と下での気象条件が大きく異なる季節へとなってきました。不安な時はお気軽にお電話でお問い合わせください。今年は冬の訪れが早いようです。燕岳周辺はもうすっかり冬山です。
河地
雪を解かす雨。
2017/10/29
またもや週末の台風接近となってしまいました。この台風が暖かい空気を持ち込んだため、気温が上がり、そのおかげで今シーズン最後の水上げをすることが出来ました。台風も悪いことばかりではありません。ただ、こんな天気なので登って来られる方はいらっしゃらなく、静かな一日となりました。そのため、今日予定していたそば祭は後日行う事となりました。追って日程をお伝えしたいと思います。
今日の雨で雪の量はぐっと少なくなりました。ただ、この後の天気図を見てみると強い冬型となっていて、強い寒気が入ってくるようです。一旦解けた雪は再び積もるのでしょうか。明日、日中は非常に低い気温の一日となりそうです。恐らく風も強く大変厳しい天候となるのではないでしょうか。
河地
雪ではなく雨。
2017/10/28
朝、外に出てみると寒くはなく、プラスの気温でした。しかし、どんよりとした空で見た目はなんとも寒々しい光景が広がっていました。こうして槍・穂高・大天井方面を見ると真っ白ですっかり冬の装いになっているのだと感じました。
小屋周辺の雪は人に踏まれたところは地面が出てきたりはしていますが、雪が残る所はツルツルになっていて歩きづらく、今日登って来られたお客様もアイゼンを装着されていらっしゃる方が多かったです。冬のシーズン初めはアイゼンやピッケルなどの扱いにまだ体が慣れていなので、冬山シーズンに向けて今のうちから少しずつ道具にならしていくといいかもしれません。
今日は氷点下になる時間帯はなく、日中にかけ雪解けが進みました。気温が上がったのでもしやと思い、水のポンプアップを試みましたが残念ながら上げることは出来ませんでした。小屋閉めまでまだなんとか足りる量はあるのでいいのですが、もう一度くらい水上げが出来ると余裕が生まれるのですが。明日は雨となりそうですが、プラスの気温なのでなんとか上がってくれるとうれしいのですが。
こうして雪に覆われてしまうと動物たちはきっとエサに苦労することでしょう。玄関前の雪解けして地面が出ている辺りでは、一羽のイワヒバリが必死にエサをついばんでいました。このイワヒバリももう少ししたら、エサを求めて下へと行ってしまうのでしょう。そうなるとちょっとさみしくなります。
午後になって南部より、雪ではなく雨が降り出してきました。先週に続き、週末だというのにまたもや台風の接近により、残念な天候となってしまいました。この台風が通過した後、また寒気が入ってきて降雪となるような予報も出ています。昨年までのこの時期の雪の少なかった状況は、今年はそうでもないのでしょうか。雪を楽しみにされている方にはうれしいことでしょう。
河地
穏やかな一日。
2017/10/27
日の出はとうとう6時台へと入っていきました。日に日に昼間の時間が短くなっていきます。今朝の日の出は雲が紅く染まり、久しぶりに感動するようなきれいな朝となりました。
降った当初より白さは少なくなりましたが、まだまだきれいです。このままこの雪は解けないのでしょうか。日中はきれいな青空が広がり、この白い山がとても映えていました。そして、山裾の方はまだ紅葉が残っていて、この時期だけしか見られない3段紅葉を楽しむことが出来ました。
縦走路を始め、槍方面の山もすっかり初冬の装いとなっています。今日のような穏やかな天気の日にこの稜線を歩けたらさぞ気持ちいいことでしょう。ただし、この稜線はすでに冬となっているのでピッケル、アイゼン等冬山装備が必要となってきています。また、夏より歩く時間は多くかかりますのでそのことを考慮して無理のないようお出かけください。
今日の日中は風も弱く、きれいな青空も広がり、一足早い冬の訪れを楽しむには最高の一日となったのではないでしょうか。
今日の気温と日差しで雪はだいぶ解けたように感じます。今日の日中は本当に穏やかで日向ではとても暖かく、外でのんびりしていても気持ちのいいものでした。雪面をよく見るとちこちには様々な動物の足跡残っています。この写真に写っている足跡は恐らくウサギのものでしょう。普段はなかなか目にすることはありませんが、こうして足跡を見ると行動が想像出来てなんとなく楽しくなります。
合戦小屋
三角点
合戦小屋のトイレ工事は今日をもっていったん終了となりました。また来年の春に再開となります。今しばらくは仮設トイレでの対応になります。
合戦尾根の登山道の雪もだいぶ解けましたが、残っている部分も多く、気温が氷点下になる早い時間に下山される方はツルツルで苦労することでしょう。そんな時は気温が上がり、雪が柔らかくなるのを待って下山される方が歩きやすいでしょう。
今日は久しぶりにライチョウに出会いました。ナナカマドの実を求めてやってきたのでしょうか、ナナカマドの木の下でエサをついばんでいました。随分と白い部分が多くなってきたようでした。
美しい日の入りでした。今日は20時を過ぎても気温は氷点下にならず、寒さも緩んでいるようです。今日一日はとにかく穏やかという言葉がぴったりな一日でした。
河地
美しい雪山。
2017/10/26
昨日一日を境にして、燕岳はすっかり雪山へと変わりました。
白い世界が広がり、日の出日の入が今まだとは違った美しさになり、これからの楽しみとなります。そんな今朝は6時少し前に太陽は顔を出しました。玄関にある温度計はマイナス4℃を示し、寒い朝となりましたが、日の出の美しさがこれを忘れさせてくれました。
燕岳へのルートも雪ですっかり覆われてしまい、分からなくなってしまったので、たまたま遊びに来ていたOBの福田ガイドと共にトレース付に行ってきました。深いところは腰位までところもあり、今回の積雪の多さを感じました。燕岳から見る燕山荘もすっかり冬の装いへとなっていました。今日の日中は気温は高く、山頂へ行くだけならピッケル、アイゼンは必要ありませんでした。ただ、合戦尾根は多くの方が歩かれ、雪がツルツルになっている部分も多く、気温が下がる朝晩は注意が必要となりそうです。このような雪質では靴底の堅い冬靴などが適しています。
今回の降雪により、東沢乗越を経由して中房へと下る東沢ルートは通行困難です。
今朝は前回の残りのヘリコプターによる物資輸送を行いました。雪山の上を飛ぶヘリコプターもかっこいいですね。ただ、ヘリコプターからのダウンウォッシュが舞い上げる雪煙はなかなかなもので、その中にいると目を開けていられないほどです。
今日の日中はとても穏やかで、雪面の照り返しもあり非常に暖かく感じました。サングラスも必要となりますね。ただ、この気温でも雪解けは思った程進まなく、このまま根雪となっていきそうです。
水源地付近より見る燕岳
今日は水源地の様子を見に行ってきましたが、こちらも降雪ですっかり雪の下となっていました。こうなるとパイプの途中に残る凍っている水が解けなくなり、今シーズンの水揚げはなかなか困難になってきます。これからは今貯めてある水だけでやっていかなくてはならなので節水にどうかご協力をお願い致します。
穏やかだった一日の最後はきれいな日の入りで終わりました。もう17時前に太陽は沈んでしまうのですね。明日、日中も穏やかな天気となりそうで美しい雪景色を楽しむことが出来そうです。雪を楽しみにされている方々にはうれしい季節がやってきました。
河地
全く別の山へと。
2017/10/25
燕山荘直下の夏道と冬道の分岐点
天気予報で雨マークになっていましたので、雪になることは予想していましたが、思っていた以上の降雪となりました。燕山荘周辺でも20センチくらい、吹き溜まりでは30センチ以上の降雪でした。今日、上山してきたスタッフによると雪は第3ベンチ辺りから積もっていて、所々あります。富士見ベンチからは急に多くなっています。降雪は増えましたが燕山荘直下の夏道はまだ通行可能ですが、様子を見て冬道へと変えるかもしれません。
この思った以上の降雪により、慌てて雨戸を入れないといけない箇所も出てきました。ここ数年、雪の少ない年が続いていたので雪対策がなんとなく年々後ろにずれていたのですが、やはり、セオリー通りに作業を進めていかなければいけないことを実感しました。
日中、雪は絶え間なく降り続き、積雪量はどんどんと増えていきました。昨日までの山とは全く別の山へと変わってしまいました。16時頃、雪が止みだし、展望は広がり出してきました。そこに広がったのは真っ白な世界でした。、先日の降雪とは比べ物にならないくらい白さを増していました。有明山の上の方にも雪が降ったようでした。
こんな天気でしたが何名様か登って来られました。燕山荘までならまだ軽アイゼン、ストック程度でいいかと思いますが、大天井方面や常念方面へと縦走される方は、もうピッケル、アイゼンが必要な冬山の世界へと変わっています。いつものことですが、こうして山に冬は突然やってきます。
合戦尾根上部は真っ白となり、そこにだけ傾きかけた太陽の光があたりきれいでした。冬山は厳しさの反面、こうした美しい光景を見せてくれます。
今回の積雪は風の強いところでは、玄関前のようにほとんど積もっていなところもありますが、吹き溜まるようなところではひざ下くらいまで積もりました。スパッツが必要になってきました。
日の入り頃、ちょうどガスが湧いて日の入りは見えませんでしたが、その後、燕岳が姿を見せてくれました。気温は-5℃以下となってきて、非常に寒い夜となりそうです。ただ、明日は天気予報も良く、気温も上がりそうなので雪はだいぶ解けてしまうかもしれません。これからの季節は日に日に登山道の状況は変わるので、気軽にお問合せください。明日のご来光がとても楽しみです。
燕岳周辺はすっかり冬の装いとなりました。我々スタッフも突然の天気に少々戸惑っていますが、いよいよ冬山が始まったと緊張感をもってやっていきたいと思います。
河地
降っては解けて。
2017/10/24
今朝は起きのるが楽しみでした。降雪の後に広がる世界はとても美しいものです。朝、外に出て驚いたことはあまり寒くはなかったことでした。気温は0度位と昨日の気温を体感した後ではあまり寒くは感じませんでした。今回の積雪はそれほど多くはありませんでしたが、再び白い世界が広がっていました。
ちなみに久しぶりに見る日の出は、5時56分でした。
今回の積雪も日中になると随分と解けてしまい、根雪とはならなそうな感じです。雪が降っては解けてを繰り返しながらやがて本格的な冬景色へと変わっていくのですね。
ただ、北部にある立山や鹿島槍は真っ白になっていてこちらの雪は残ってしまいそうな感じでした。冬の足音がすぐそこまでやってきています。
そして、これは美しと感じたのが、西側に見える山々の三段紅葉です。
中腹のカラマツの黄葉と雪の白のコントラストがとても素敵でした。
今日は雲の多い天気となりましたが、薄っすらと雪化粧した山々を見渡すことが出来てまずまずの天気でした。積雪量も大して増えてはいないので、まだアイゼン、ピッケルはなくてもいいと思います。ただ、所々残る所もありますので、不安な方は軽アイゼン、ストックなどあるといいかと思います。スニーカー等の靴はもう不向きです。
ヘリコプターによる物資輸送も今年は次回の後一回を残すだけとなりました。今日は来年に向けての燃料などが上がってきました。しかし、途中でガスが濃くなって中断に。今年はこんな日が本当に多かったです。
紅葉も随分と下に下りていった様子がよく分かりました。大峠の下の山肌もいい色に変わってきています。
明日は再び雪の予報となっています。これでまた様子は変わることでしょう。この時期は日に日に様子が変わっていきますので最新の情報を得てお越しください。
河地
再び白い世界に。
2017/10/23
昨夜は、前回の台風の時のように小屋が揺れる程の風が吹くことはありませんでしたが、朝になっても強い風は残っていました。そして気温がぐっと下がって氷点下になっていました。外は雨ではなく、いつの間にか雪へと変わっていました。そしてあちこちに霧氷も出来ていました。
そして、昨日まではきれいな黄葉となっているカラマツも真っ白けになっていました。台風通過後、季節は冬への歩みを加速したようです。
今日の日中はまるで真冬のようでした。気温はどんどんと下がっていき夜には-5℃までになってきました。西風が強く稜線の西側では目を開けているのがやっとでした。風が強かったので飛んでしまう所が多く天気の割には積雪は増えませんでしたが、再び真っ白な世界となりました。
少しでも小屋の中を明るくと雪囲いもぎりぎりまで待つのですがこの天気では入れざるを得ません。こんな厳しい天気の中の作業はなかなか大変です。燕山荘は11月25日mでの営業なのでまだ小屋締め作業とはいきませんが、雪対策の作業は、天気の様子を見ながら進めていきます。このタイミングがなかなか難しいのですが。
小屋周辺の積雪量は10㎝程です。この先の気温を見ていると寒い日が多そうなので日陰では残ってしまうかもしれません。
河地
強まる風雨。
2017/10/22
もう雪も降ったのに台風接近とは、今年の10月は天気がよくありません。昨日お泊りの方も足早に下山されていかれました。午前中は雨は降っていたものそれ程悪い天気ではありませんでした。燕岳も姿を見せてくれていました。
このような天気なので登って来られる方もなく、フロント前のニス塗りを行いました。今日のような日にしかここの作業は出来ません。まず、いま塗ってあるニスはがしから始めます。これがなかなか大変で、みな粉まみれにならながらの作業となります。これを終えてからようやく新しいニスを塗ることが出来ます。
お昼頃より東寄りの風が強まってきて雨も強くなってきました。そんな時の登山道は川のようになってしまいます。それをほおっておくと登山道は水にえぐられてしまいます。それを少しでも防ぐために雨水を登山道の脇へ流してやる道を掘ります。こうすることで登山道の浸食を少しばかり防ぐことが出来ます。多くの先輩スタッフが守って来た登山道を少しでも長く維持できるようこの作業はかかせません。
稜線では強い風が吹いていても三角点の森林限界より下に入ってしまうとあまり風の影響を受けなくなります。今日のような天気ではそれを強く実感できました。これからの季節森林限界の上と下では気象条件が大きく異なることがあります。
厳しい天気でしたが、合戦小屋の解体作業は行われていました。
明日は台風通過後寒気が入ってきて気温は氷点下の厳しい寒さとなりそうです。そして降雪なるとの予報もでています。夜になって風雨はさらに強くなってきました。大きな被害がないことを祈ります。
河地
静かな週末。
2017/10/21
今年の10月はいつになく天気の悪い日が続いています。そして、大型台風の接近となかなか思うような天気となってくれません。今日の週末も登山を楽しみされていらっしゃった方も多かったことでしょうが、明日以降の天気予報を見る限り、予定を変更されるのもよくわかります。
朝のうちはなんとか展望もあり、冬枯れとなった渋い燕岳が姿を見せてくれました。
槍ヶ岳も何日ぶりのことでしょうか、姿を見せてくれました。こちらも先日の降雪がすっかり解けてしまったようでしたが、よく見ると所々雪が残っているようでした。
燕山荘のすぐ下にある谷を僕らはウド沢と呼んでいますが、この谷底には昨年の冬から今年の春にかけて降った雪がまだ残っています。このままいけば新しい雪の下に隠れることになりそうです。年によってはこの雪は解けてしまうこともあるのですが、この時期まで残るという事は昨年の雪が多かったことなのでしょう。
明日からの天気を気にしてか日帰りで登って来られる方はぼちぼちといらっしゃいました。日中は霧雨のような濃いガスに包まれ、週末なのに静かな一日となりました。
夕方、少しだけ燕岳が姿を見せてくれました。台風が接近しているとはあまり感じられない今日一日でした。天気予報によるとこの辺りに最も近づくのは明後日の明け方となりそうです。その後の寒気の入り込み次第によっては再び真っ白な世界が見られるかもしれません。
合戦小屋のトイレの解体作業も順調に進んでいます。職人さんたちは毎日、燕山荘から通いながら作業をされていらっしゃいます。毎日大変だと思います。笑顔でいってらっしゃいとお帰りなさい、お疲れさまでした。くらいしか言えませんが。山の上でひとつの建物を作るというのは本当に大変なものだと感じます。
河地
雪は解けて。
2017/10/20
三角点
昨日積もった雪は雨でほぼ解けてしまいました。10月の雪ではまだ根雪にならないことが多いようです。今日は天気は思ったほど良くはならず、小雨が降ったり止んだりで、燕岳が見える時間もほんの少しでした。ただ気温はそれほど低くはなく、少し動けば体はあったまり、さほど寒さを感じませんでした。
ダケカンバの葉はすっかり落ちてしまい、山肌はモノトーンの色に変わってきていますが、カラマツの黄葉はまだまだきれいで周りの色がなくなっていく中、とても色鮮やかに見えます。登山道上の雪はほとんど解けてしまいましたが、木々の間の地面には雪が残っている所もあり、カラマツの鮮やかな黄葉との対比がきれいでした。
作業前
作業後
今年の秋はなかなか登山道整備に出かけられなかったのですが、このところめっきり人の流れも静かとなり、今日は合戦小屋の下まで出かけてきました。一か所を治すのに半日くらいかかってしま事もあり、なかなか進みませんが、コツコツとこの作業を続けていきたいものです。もう少しして気温がさらに下がってくると地面も凍ってしまい、登山道整備も困難になってきてしまうので、なんとか空いた時間をうまく使って進めていきたいものです。
河地
雪から雨へ。
2017/10/19
この秋最初の降雪となりました。小屋周りで約10㎝ほどの積雪でした。山の上ではこれから雪との長いお付き合いがはじまります。でも、雪が積もりこれまでとは全く違う景色が広がると、子供のころのように嬉しくなってきます。
今回の降雪は第三ベンチ辺りから上でした。中房線はまだ大丈夫でしたが、途中は落ち葉がたくさんあってその上に乗るとタイヤがスリップすることもありました。雪はまだですが落ち葉にも注意が必要です。
合戦小屋
三角点
燕山荘
お昼頃より雪は雨へと変わってきましたが、雪は各所で残っています。これがこのまま凍るとかなり歩きにくい状況になりそうです。ただこの先数日の気温を見ているとそれほど厳しい冷え込みとはならないようなので、解けてくれるといいのですが、今日の段階ではまだアイゼンが必要となるような状況ではありませんでしたが、今日のような雪質の場合、下りでは大変すべりやすくなります。夜になっても雨は止まず、水分を多く含んだ雪は屋根から大きな音を立てて落ちています。こんな天気だったので登って来られる方は誰もいらっしゃらなく、屋根に落ちるこの落雪の音がやけに大きく響き渡ります。
ライチョウが小屋の近くにやってきました。毛はまだ茶色の部分も残っていますが、だいぶ白く生え変わってきていました。その色具合が今の時期にはちょうどいい色具合で、いい保護色になっていました。これで雪がなければ逆に目立ってしまったことでしょう。
夜になっても雨はまだ引き続き降っているので、雪解けはさらに進みそうで根雪とはならなさそうです。
河地
澄んだ空気。
2017/10/18
夜明けもすっかり遅くなり、5時に外に出てみてもまだ真っ暗です。今日は久しぶりにきれいな星空が見えていました。このところ晴れる日が少なく、星空もあまり見えていません。少し白み始めた東の空に目をやると、すっかり細くなった月とその下の金星がひときわ輝いているのが印象的でした。
日の出もだいぶ遅くなり、5時50分頃でした。しばらく見えていないうちに浅間山からだいぶ離れたところから太陽は昇りました。
寒い朝となり、気温は-2℃くらいでした。天水を溜めたドラム缶には氷が張っていました。空気が凛として澄んだきれいな空が広がっていました。
今日はいい秋晴れとなり、槍ヶ岳もかっこよく見えていました。
縦走に出る方もほとんどいらっしゃらないですが、営業を終えた山小屋が多くなっていますので、縦走予定の方はご注意を。燕山荘グループの大天荘は、今年は営業が長くなり、11月4日までの営業となります。初冬の山を楽しむチャンスが増えますね。ただし、装備はしっかりとご準備をお願いします。
河地
晴れても寒い。
2017/10/17
朝はガスに包まれ、真っ白でしたが8時頃よりガスが切れだし、青空が広がり出してきました。いつものことですが雨の後の青空程うれしいものはありません。
旭岳、白馬方面
水晶岳
立山、剣岳
そして、驚いたことに北部の山々や水晶岳が白くなっていました。どうやら昨日の雨が雪だったようです。槍・穂高を見てもそちらはまだ白くなってはなくて、やはり冬は北からやってくるようです。
日中もきれいな青空が広がり、皆さん天気予報をよくご存じのようで日帰りの方を含め、人の流れが賑やかでした。ただ日中は晴れてはいても稜線を吹く風は冷たく、季節は晩秋から初冬へと変わりつつあることを感じさせられました。
天気予報を見る限り、天気がいいのは今日、明日だけのようです。明後日は雪予報も出ているので、今日は雪対策の作業を進めました。テント場のトイレも今日で閉じ、これから先はテント泊の方も小屋のトイレを利用して頂くことになります。また、雪囲いも少しだけ入れました。出来るだけ小屋の中を明るくしていたいので、天気の様子を見ながら、ギリギリまで待ってこの作業は進めていきます。
今日の日中は東側には雲海が広がり続けました。今日登って来られた方々はこの中を歩いてこられたので、上について広がる大展望には大変喜ばれていらっしゃいました。
日の入りごろには気温はすでに氷点下となってきました。外にいらっしゃる方は寒い寒いと玄関の中に入って来られます。寒い季節がやってきましたね。天気予報を見る限り、今日明日の晴れは貴重なものとなりそうです。今年の10月はなかなか晴れませんね。
河地
霙混じりの雨。
2017/10/16
今日は冷たい雨の一日となりました。お昼頃には霙混じりの雨となりました。日中は雨の日にしか出来ない外作業をしていたのですが、吐く息は白く、手がかじかみ、なかなかつらい作業となりました。こんな天気でしたがこのナナカマドの木にはこの実を食べにウソが何羽かやってきていました。
この霙は積もるような雪にはなりませんでしたが、登山道の隅っこのほうには少しだけ白いものがありました。咲いている花もほとんどなくなってしまいましたが、階段の所にはこのカンチコウゾリナがまだかろうじて花を咲かせていました。この先の天気予報を見るとしばらくすっきりとしない天気が続きそうです。10月の天気はこんなんだったのかな。でも明日は予報は晴れそうです。
河地
雪ではなく雨。
2017/10/15
今日は雨が降ったり止んだりの天気となりました。時折、みぞれや雪混じりとなることもありましたが、気温はそれほど低くなく、雨が中心でした。登って来られる方も少なく、連休以後、すっかり別の山になってしまったような気がします。これからは静かな山へと戻っていきます。
すっきりとしない天気でしたが西側の展望は開け、槍ヶ岳や裏銀座の山々は姿をみせてくれました。こちらの山々も紅葉は終わり、すっかり晩秋の色へとなっています。今日は雲が厚く、日中でも薄暗く感じる一日となりました。
東側には有明山を包むほどの雲海が広がっていました。どんよりとした空でしたが、これはこれで美しい光景でした。
こんな天気でしたが今日は雲の動きが面白い日でもありました。鹿島槍の手前にある爺ケ岳の稜線を境に出来た滝雲は、小さくしか見えませんでしたがなかなか見ることの出来ないものでした。また、槍ヶ岳を隠してしまおうとする湧きたつ雲がなかなか面白いものでした。夜になって気温は0℃近くなってきましたが、屋根を叩く音は雨の音です。ほんの少し気温が下がれば、雨は雪に変わるのでしょうか。
河地
静かな週末。
2017/10/14
朝のうちはガスで真っ白だったのですが、9時頃より視界も広がり出し、晩秋の風景が広がってきました。今日はずっと雲海の上になり、下では曇り空だったことでしょうが、山の上ではまずまずの天候となりました。
まずまずの天気でしたが明日の天気を気にされてか週末の割には静かな一日となりました。こうして週末となっても夏のような賑わいはなく、ちょっぴり寂しく感じました。
9月の20日頃から始まった紅葉はどんどん下へと下がり、上の方はすっかり秋枯れ模様に変わってきています。なんとなくさみしい光景ですが、こんな風景が好きな方もきっといらっしゃることでしょう。この晩秋の光景もいいものです。
明日以降の天気予報を見ているとしばらく好天は望めそうもなく、今日は水タンク掃除を急ぎました。これらのタンクを小屋の中にしまい、飲料水を蓄えるためです。いまのところはまだ水揚げは出来ているのですが、もう少しすると凍結により出来なくなってしまいます。今のうちに水を溜めておかなければなりません。
今日は夕暮れになるほど天気は良くなってきて、きれいな夕焼けとなりました。その頃になるとさすがに気温も下がってきて、景色は美しいけど寒いため、玄関の中へ入ったり外へ出たりされる方が多くなってきました。それもそのはず、日の入りごろには気温は1℃台までになってきました。こんな時には軽くて、保温性の高いダウンなどがあるといいですね。
太陽が沈む三俣蓮華岳の上あたりには雲があって、日が沈むところは見られませんでしたが、その上にある雲が紅く焼ける美しい日の入りでした。明日はあまりいい予報ではありませんが、今日のこの美しい景色を見られただけでも良かったのではないでしょうか。またこれからは雨が雪になる確率も高いので、上山日だけでなく翌日の天気予報もしっかりと知っておくことが大切になってきます。そして、それに応じた装備が必要となります。
河地
冷たい雨。
2017/10/13
雨の一日となりました。午前中はやや強く降ることもありました。風もやや強く冷たい雨となりました。この時期に秋雨前線による雨が続くというのは少し不思議な感じがします。
10月の連休を過ぎれば、次にやらなくてはならないことが雪と低温への備えです。このところ、この時期としては比較的暖かいので油断してしまいがちですが、急に寒くなることもありうるので過去の日誌を見ながら、セオリーどおりに作業を進めていきます。
今日も昨日に続き、展望のない一日で終わるのかと思っていたところ、夕方突然ガスが動き始め、燕岳が姿を現し、高瀬側の谷にはきれいな雲海が見られました。この天気を全く予想していなかったので、とても感動的でした。それよりなによりこの雨の中を登って来られた方々には最高のプレゼントとなったことではないでしょうか。
そして、日の入りも美しく三俣蓮華岳の上の雲が紅く染まり、雲海との組み合わせが普段はなかなか見ることの出来ない美しさでした。
合戦小屋のトイレの立て直し工事が16日月曜日より始まります。この工事は途中の中断をはさんで、来年の秋まで続く予定です。この間は仮設トイレでの対応となります。
河地
展望のない一日。
2017/10/12
天気予報通り、雨となってしまいました。天気予報を見る限り、この雨は一体いつまで続くのでしょうか。暖かいのも今日までのようで、その後気温が下がっていくので、雪の心配も出てきます。今日はこんな天気だったので登ってくる方も非常に少なく、静かな一日となりました。営業はまだまだあるのですが、小屋作業を進める一日となりました。
今日、小屋の周りで見かけたのは2羽のイワヒバリだけで本当に静かでした。小屋周辺のダケカンバの葉っぱはすでに落ちてしまいましたが、カラマツの黄葉はまだまだきれいです。このカラマツは冬道の下り口にあって、霧氷などが付くとまるでクリスマスツリーのようになります。こんな光景が楽しめる季節が少しづつ近づいています。
河地
晴れも今日までかな。
2017/10/11
気温の高い日が続いています。今日の日中は松本では30℃近くまで気温が上がったようです。一体どうなってしまったのでしょう。ちょっと気候が心配になってきます。
今朝はうろこ雲が紅く染まるきれいな朝焼けで一日が始まりました。この時期にしては登って来られる方が多いのはこの気温のせいなのでしょうか。
上から下におりていっている紅葉は登山口辺りまで降りてきています。第一ベンチ下にあるカラマツも黄金色に変わってきました。もう少しするとさらに美しくなります。
三角点から少し登ったところにあるカラマツ、こちらは風が強いため、まっすぐ伸びるのではなく、横に広がっています。このカラマツは今が見頃といった感じで、とてもきれいな黄金色になっています。
そして、さらに標高を上げていくと燕山荘直下あたりだとダケカンバの葉はほとんど落ちて、ダケカンバの幹の白が美しくなっています。
その合戦尾根を上から見ると晩秋の美しさになっています。
今日の日中は段々と風が強くなってきて、あちこちにレンズ雲が現れていました。また日中の気温は14℃まで上がり、少し動くには半袖でちょうどいいくらいでした。
風が強かったのですが、ヘリコプターによる物資輸送がありました。風が強いため、いつもと違うコースを飛んで、燕岳や紅葉をバックにかっこいいヘリコプターの姿を見ることが出来ました。
日の入も随分と早くなってきて。17時15分前には太陽は沈んでいきました。今日はきれいな日の入りでしたが、明日以降の予報を見ていると気温も下がり出し、雨の日が続くようです。
その頃、東の空を見れば、ちょっと面白い雲が現れていました。今日のように変わった雲が現れた翌日というのは天気が崩れることが多いです。今回もそうなってしまいそうです。
河地
曇り空。
2017/10/10
今日もあまり寒くない朝を迎えました。青空は昨日までだったのか、雲の多い朝で、ご来光はないかなと思っていたら、雲の切れ間から太陽が顔を出し、ガスも赤く染まり、幻想的な日の出となりました。
日中は12℃位まで気温が上がり、外作業をする時は半袖でいいくらいでした。この暖かさは外作業にはいいのですが、油断していると一気に寒くなり、水道管の凍結で水が出なくなりかねません。油断は禁物です。
合戦尾根の木々もかなり落葉が進んでいるようです。
今日は雲が多く、2700mより上には雲がかかっていました。
連休が終わり、登って来られる方は少なくなりました。静かな山へ変わっていきます。夏とは違い、時間の流れはゆっくりです。
日の入り頃には雲が流れ始め、日の出と同じようにガスの切れ間に太陽は沈んでいきました。槍ヶ岳も見えそうで見えなく、小槍が少し顔を出してくれました。
この時期にしては暖かいとはいえ、やはり外に出る際は皆さんダウン等しっかり着込んでいらっしゃるようです。
河地
高めの気温。
2017/10/09
今朝も氷点下にならず、この時期としては暖かい朝を迎えました。昨日同様美しい日の出を迎え、寒さをあまり気にすることなく、日の出を見ることが出来たのではないでしょうか。
落葉が始まり、晩秋の美しさへと変わってきたこの風景を皆さん堪能出来た週末となったことでしょう。それにしてもここ数日の気温の高さはなんだか不思議な感じがします。凍結もなく、助かったのですがやはりこの時期はこの時期らしい気温でないと少し心配になってしまいます。
今日の日中は燕岳の上にちょっと変わった雲が現れていました。刻々と変化していき、見るたびに形が変わっていて、外ばかりが気になりました。雲の変化を眺めるのもなかなかいい時間でした。
夕方になると雲はさらに厚くなってきて、その雲が素敵な光景を創り出してくれました。燕岳の紅葉はどんどんと下がっているのですが、燕岳から高瀬側に落ちる稜線のこぶのようになっているところがダケカンバの黄葉がとてもきれいでちょうどそのあたりだけ光が当たって、普段見ることの出来ない姿を見せてくれました。今日で連休は終わりですが天候に恵まれ、たくさんの方々の笑顔を見ることが出来ました。明日以降は少しづつ冬支度を始めていきます。
河地
気温高めの連休中日。
2017/10/08
いつもなら朝は真っ先にストーブをつけるのですが、今日はストーブをつけなくてもいいのかと迷うような気温でした。秋のこの連休といえば、例年であれば水道の凍結に苦労するのですが、今年はどうやらその心配もないようで、暖かい連休となったようです。そんな今朝の日の出はとてもきれいなものでした。
昨日はほとんど展望もなかったのですが今日は朝から素晴らしい展望が広がりました。縦走に出られる方も多く、早い時間から行動を開始されている方もおおくいらっしゃいました。寒さも緩んで風も弱く、縦走にはもってこいの一日になったのではないでしょうか。
昨日の予定を今日に変更されたか方も多かったこともあり、今日はこの時期とは思えない賑わいとなりました。日中は受付が途切れることなく、全く外に出られない状態となりました。そして、一息つき、外に出る頃には太陽はすでに西へと傾き始めていました。夕方になっても気温はあまり下がらず、この時期とは思えない気温でした。暖かさに気を緩めてはいけません。本来ならこの時期は非常に寒くなり、雨ではなく、雪になることがある時期です。日の入りも日毎に早くなってきているので、夏に比べて早めの行動が大切となってきます。
合戦尾根のダケカンバの葉を落としているものが多くなってきて、ダケカンバの白い幹が目立つようになってきました。
日が沈んだ後、不思議なことにガスが湧いてきて、真っ白になってしまいました。ただ明日は再び天気は良さそうで、皆さん晩秋に入りつつある燕岳を満喫出来ることでしょう。いい連休になりそうです。
河地
体育の日の連休。
2017/10/07
連休スタートですが、雨が降ったり止んだりの天気となり、予定を変更された方も多くいらっしゃいました。それでも雨の降らない時間帯も多く、あまり濡れることもなく、到着される方もいらっしゃいました。残念ながら、日中の展望はほとんどありませんでした。
雨の止み間には外ベンチで多くの方が楽しそうにしていらっしゃいました。今日はこの時期にしては気温は高めで外にいてもあまり寒くは感じなかったことでしょう。例年、この連休は水道の凍結との戦いとなるのですが、明日の気温を見ても今年は安心していられそうです。
天気はいまいちでしたが、テント泊の方は多くいらっしゃました。恐らく、縦走予定の方が多いと思われます。これからの時期、営業を終えていく山小屋が出てきますので、しっかりと下調べをしてお越しください。
展望なく一日が終わると思っていたところ、9時前に突然、美しい夜空が広がってきました。気温も5℃とこの時期にしてはあまり寒くはなく、消灯時間の前に皆さん、秋の美しい月夜を楽しまれていらっしゃいました。連休中日の明日は天気も良さそうで、大変な混雑が予想されます。
河地
雪。
2017/10/06
天気予報より、天気の崩れは遅く、朝のうちは曇り空ながらも富士山をはじめ、遠くの山々まできれいに見えていました。気温も4℃あり、あまり寒さを感じない朝でした。
雲が多かったので、太陽の光は弱く、秋枯れ模様となった山肌の色は、より一層茶色く見えていました。西鎌尾根の奥に見える笠ヶ岳もすっかり晩秋の色へと変わっていました。
午前中は天気はもつだろうと、今年建て直したポンプ小屋の仕上げ作業へと出かけました。6月に完成して以来、なかなか来ることが出来ず、とうとう10月になってしまいました。ここ数年は10月中はなんとか水をポンプアップすることが出来ているのですが、これまででは10月の中旬には凍結により水揚げが出来なくなっていました。そろそろ水の備蓄を気にしなくてはならない時期へとなってきました。
作業がそろそろ終わるお昼前、雷鳴のような音が聞こえました。そして、その後小屋へと戻る道中で裏銀座の山から雪が降り出してきました。そして、あっという間にこの辺りも雪模様になりました。
前回、ちらっと雪がまったので今日のは初雪といっていいのかわかりませんが、今日ははっきり雪とわかるものでした。一時、風雪のようになりましたが積雪とはならず、その後は雨へと変わりました。稜線ではもう雪の降る季節へと入ってきました。これからの季節、雨予報の日は雪を想定したほうがよさそうです。明日から連休が始まります。天気予報からして、中日の8日が大変な賑わいとなりそうです。
河地
深まりゆく秋。
2017/10/05
今朝も氷点下の寒い朝を迎えました。昨夜、美しく輝いていた中秋の名月は、薄い雲に隠されて、ぼんやりとした姿になっていました。日の出時刻を過ぎても雲が多いため、なかなか日差しが当たらず、氷点下の時間が長く続いていました。
縦走路の方に目をやると木々の葉っぱが落ち始めてきて、茶色い山肌が日毎に多くなっているのを感じました。秋がどんどん深まっていきます。
日中は雲も少なくなり、きれいな秋晴れとなりました。日陰では寒く感じるのですが、日当たりの良いところへ行けば、ぽかぽかと暖かく感じました。平日とあって登って来られる方も多くはなく、のんびりとした時間が流れていました。
今日はヘリコプターの荷揚げ日でもあり、食材や燃料などが上がってきました。そして、新しい水のタンクも上がってきました。もう少しすれば水揚げも凍結のため、困難になってくるのでその前に水の貯水量が増えることは非常にありがたいことです。また、あんな大きなものをピンポイントで下してくれるパイロットの操縦技術には感心しました。
ヘリポート下にあるナナカマドはすっかり葉っぱがなくなってしまいましたが、その赤い実がとてもきれいです。その赤い実にはウソのメスがやってきて、実を食べていました。よく見るとそのすぐそばには幼鳥がいて、親からエサをもらっている姿を見ることが出来ました。この実を求めてやってくる鳥は他にもライチョウなどがいます。エサが少なるこの季節、貴重なエサとなるようです。
夕方になると天気の崩れる前に現れやすい巻雲や巻積雲が現れ出しました。そして、笠ヶ岳の真上には幻日も現れていました。明日は天気が崩れるのでしょうか。雪という予報が出ています。稜線では低体温症に注意が必要です。
明日、満月を迎える月が浅間山の脇から昇ってくるところを目にすることが出来ました。太陽が昇ってくるところより、ほんの少し燕岳よりの所からでした。月の出は日の出と違い、あまり目にすることがないので、ちょっと感動を覚えました。
河地
濃い雲海。
2017/10/04
再び氷点下の朝となりました。日の出も雲に遮られ、また黒い雲が空に広がり、見た目からも寒々しい朝でした。
しかし、その後、青空も広がり出し、紅葉した山々が見えてきました。稜線付近は紅葉も終わりに近づいていて、茶色い山肌が目立つようになってきましたがその分ナナカマドの赤い実がよりいっそう鮮やかに見えました。紅葉はどんどん下に向かい、2400m辺りが紅葉が見頃のようでダケカンバの黄葉がとてもきれいになっています。
秋らしいうろこ雲も広がり、秋真っ只中といった感じでした。今日は晴れても日中でも気温は低く、寒そうにされている方が多くいらっしゃいました。気温は日毎に低くなっています。気温が低いと想像以上に体力を消耗するのです。これからの寒い季節はエネルギ補給が大切になってきます。
今日は終日、濃い雲海が広がっていました。この写真の島のように見えているのは有明山です。山の上はこんなにも天気が良かったのですが、登山口辺りでは霧雨のようになっていたようです。この雲海はとてもきれいでしたが、この雲により、天気は良くてもヘリコプターによる物資輸送は出来ませんでした。美しくともなんともうらめしい雲でした。
午後になって、小屋周辺は濃いガスに包まれてしまいましたが、19時頃より、そのガスも取れ、中秋の名月が姿を現してきました。中秋の名月と言っても満月というわけではありませんが、それでも月明かりは強く、夜なのに燕岳がきれいに見えていました。そして、その上には北斗七星が美しく輝いていました。それにしても寒い夜となってきました。玄関にある温度計は-2.4℃を示しています。
河地
山の上は晴れ。
2017/10/03
雨の朝で始まりましたが、気温は少し高めで寒いと感じない朝でした。その後、雨は上がりましたがなかなかガスが取れず、天気の回復はゆっくりでした。それでも11時頃になって雲やガスが切れだしてくると写真ではわかりづらいかもしれませんが、「白い虹」と呼ばれるものが見られました。今日のように密度の濃いガスがあって、その背後に太陽があるとよく見られます。ブロッケン現象によく似たものなのでしょう。
気温はここ最近にしては高く、10℃位まであがりました。そのせいか、いつもより上着が一枚少なくてすみました。しかし、東側の雲海やガスは終日取れることなく、稜線上は晴れているのに麓では曇り空が続いていたことでしょう。山の上のほうが天気が悪いことが多いのですが、そうでない今日のような日もあるのですね。
こんな天気の時はいつも同じようにガスが取れ出してきます。きれいな日の入りを見ることが出来ました。ただこの段階でも気温はここ数日に比べても低くはありませんでした。しかし、明日の朝はかなり冷え込むようです。風も冷たい北風へと変わっていくようです。秋がまた深まっていきそうです。
夜になって雲海の上に美しい月が昇ってきました。明日は中秋の名月です。明日の夜が楽しみですね。10月に中秋の名月と言うのはちょっと変な気がしますが・・・月明かりに照らされて、夜でも周りの山々がきれいに照らし出されていました。槍ヶ岳の上にはさそり座が美しく輝いていました。
河地
真っ赤な朝。
2017/10/02
低気圧の接近により天気は朝から下り坂へと向かっていました。気温はそれほど低くはなかったのですが、風が非常に強く、寒く感じました。雲の多い空だったので、日の出はあきらめていましたが、まだ街の明かりが残る頃、東の空が赤く染まり出しました。
そして、真っ赤な太陽が顔を出しました。雲が多かったため、いつもの力強い朝日ではありませんでしたが、周りのもの全てがほんのりとしたピンク色に染められ、幻想的な世界が広がっていました。
天気が崩れる前はやはり真っ赤な日の出が見られることが多いです。そして日の出と反対方向の西の空を望めば、そちらの空もピンク色に染まっていました。これを美しいといっていいのか不気味といっていいのかなんともいえない色でした。そして、槍から伸びる雲はこれからの天気の崩れを物語っているようでした。
そして、9時頃、短い時間でしたが白いものが空を舞いました。初雪なのでしょうか。その後、雨が降り始めました。本格的な雪はなりませんでしたが、山の上ではもう何時雪が降ってもおかしくない時期になってきたことを感じました。
その後は終日雨となりました。小屋周辺のナナカマドの中にはすっかり葉を落としてしまったものもありました。今日の雨は冷たい秋の雨となり、到着される皆さんはとても寒そうでした。稜線を歩いてこられた方の中には、ガタガタを震えのとまらない方もいらっしゃいました。これからの季節の雨は、低体温症への注意が必要となってきます。いくら高価な雨具でも古くなって防水性が低下していると低体温症になる可能性も高くなってきます。夏以上にしっかりとした装備が必要になってきたことを感じました。
河地
まだまだ紅葉はきれいです。
2017/10/01
今日は若干寒さが緩んだようで、氷点下とはなりませんでした。それでも寒い朝には変わりませんが・・・昨日に続き、真っ赤な太陽が浅間山の裾野より、顔を出しました。
賑わった翌朝の玄関前はとても賑やかとなります。昨日今日と晴天が続き、皆さんとてもいい顔をされていらっしゃいました。こんな天気の日に山に登れば、だれしも笑顔になれることでしょう。
槍への縦走路
裏銀座の山々
餓鬼岳方面
合戦尾根
稜線の葉っぱは少しづつ落ち始めていますが、まだ残っている木々も多く、ピークは過ぎましたがまだまだきれいです。そして今は標高を少し下げた辺りの紅葉がきれいになっています。紅葉の進み具合が季節の変化を知らせてくれます。
午後になって空には雲が増えてきましたが、日中は天気が良く、日帰りの方を含め、多くの方々で賑わいました。合戦尾根を登ってきて、燕山荘直下の曲がり角で目の前に現れる槍ヶ岳の姿には皆さん大変感動されています。今日は終日槍ヶ岳がかっこいい姿を見せてくれました。
夕方になるにつれ、雲はさらに多くなっていきました。西鎌尾根にだけ面白い雲がかかっていましたが、どうやら天気は下り坂へと向かっていきそうです。これからの季節は、気温が低いこともあり、非常に寒く感じるものなので、しっかりとした雨具やレイングローブ等をお持ちください。
河地
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北アルプス燕岳(2,763m)の山小屋燕山荘のスタッフがリアルタイムでその日の出来事をお伝えしています。
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