燕山荘 スタッフブログ
下山の朝。
2015/01/07
最後の最後は燕岳は微笑んでくれました。寒さは厳しいですが、美しい姿です。これで僕達が下山すれば、トレースもかき消されて山は元の姿に戻っていきます。
そろそろ下山の時間です。このパソコンも片づけなくては。
このブログをご覧いただき、また時には励ましのお言葉を頂きありがとうございました。
河地
次は4月ですね。
2015/01/06
かたずけ作業も終わり明日下山します。街に下りればすでに新しい年は始まっていて、毎年のことながら浦島太郎になった感じがします。
今シーズンの冬季営業は天気の良くなかった日が多かったような気がしますが、多くの方にお越し頂きましてありがとうございました。
合戦小屋
今日は気温は高かったのですが猛吹雪となりました。そんな中、合戦小屋まで赤旗の回収に行ってきました。時折歩くことも出来ないほどの強い風でした。
目印の赤旗はこれからさらに増える積雪により埋まってしまいます。そのために回収しています。
猛烈な風の中の外作業はなかなか厳しいものでした。
今シーズンの冬季営業を終え明日下山しますが、やはり12月31日のことは忘れることが出来ないでしょう。精一杯がんばったのに残念な結果となってしまったことが悔やまれてなりません。
どこで聞いた言葉か忘れてしまいましたが、「山の都合に合わせて登る」その言葉が思い出されます。山、特に冬山において無理は絶対にしないで下さい。
厳しさの反面こんな美し姿を見せてくれる大自然。
大自然の素晴らしさを一人でも多くの方に知って頂けるように山小屋のスタッフとしてがんばっていきたいと思います。
次のブログは四月の小屋開けより再開します。
河地
高気圧ど真ん中。
2015/01/05
冬季営業の営業最終日は素晴らしい天気となりました。日中の気温はマイナス4度まで上がり、陽射しもあったのでいつもの服装では暑いくらいでした。そして、風もほとんどなくまるで春のような穏やかな天気でした。
最後の最後に素晴らしいプレゼントとなりました。
日の出前の山頂です。この時期は日の出が7時近くになります。今くらいが一番、日の出時刻の遅くなる時期です。日の出と反対の西側の空も鮮やかな色に染まります。
この先の天気予報を見るとこれが最後の日の出となりそうです。それにふさわしい素晴らしく美しい日の出となりました。
燕山荘の4回目のツアーの皆さんも無事下山されて行かれました。この素晴らしい景色の中を下って行くのは、本当に名残惜しそうでした。
山頂より見る立山と剣岳、手前は北燕岳
シュカブラと八ヶ岳連峰
午後はちょっと山頂まで出掛けてきました。冬としては信じられないくらい風もなく、快適な稜線歩きが出来ました。こんな日は冬にそうそうあるわけではありません。
今年は積雪量がかなり多いようです。小屋に入って20日あまりが経ちましたが、小屋周りの積雪量がずいぶん増えました。ちなみに積雪量が一番多いのは4月の終わりからゴールデンウィークあたりになります。
槍ヶ岳から穂高にかけてもくっきりと見えていました。この天候の中、穂高岳山荘の冬季小屋の中で救助を待つ4人も無事に救助されたようです。12月31日が今日のような天気であれば、あの悲しい事故も起きなかったのではないかと大変悔やまれます。冬山は今日のような穏やかな表情を見せる日もあれば、牙をむくこともあります。それが冬山なんですね。
高気圧の中心は過ぎつつあるようで、夕方には雲が増えて来て、夕陽は見ることが出来ませんでした。それでも紅く染まる富士山がきれいに見ることが出来ました。
今日は満月です。残念ながら雲がどんどん多くなってきています。
明日、一日片づけ作業をして、明後日下山の予定です。
河地
正月三ヶ日も終わって。
2015/01/04
正月休みも後半に入り、山は静けさを取り戻して行きました。今年の冬季営業も明日のお泊りまでとなり、山の上での暮らしもあとわずかとなってきました。
明日は満月です。昨夜も月明かりが明るく、それに照らされた山頂が暗闇の中、白く浮かび上がっていました。雪のある時の満月の夜は更に明るくなり、ヘッドランプなくても歩ける位になります。営業最終日の明日は、高気圧に覆われて晴れの予報となっています。
今日は雪降りの一日となってしまいました。気温はマイナス10℃位まで上がり、寒さは緩みましたが吹雪模様となり、山頂へ向かわれる方もほとんどいらっしゃいませんでした。玄関前の積雪量も増え、ベンチが半分くらい埋まっています。
燕山荘の玄関は前室がないため、冬は扉が開くと冷気が一気に入ってきてしまいます。それを少しでも防ごうと今は使っていないテーブルクロスをカーテンのように付けてみたところ、案外、保温効果があがりました。来年はもう少ししっかりとしたものを付けてみたいと思います。冬季営業は試行錯誤の繰り返しで行われています。この2700メートルの厳しい環境の中で普通の生活が出来ると言うのはなかなか大変なものです。一番大変なのは水の確保ですが。
これからも少しずつ改善しながら、より快適で安全な冬山登山のお手伝いが出来るようにがんばっていきたいと思います。
我々スタッフは1月7日に下山の予定です。
それに向けて少しずつ片づけ作業も始めています。
河地
厳しさと美しさ。
2015/01/03
年の瀬から年始にかけては山は厳しい天候となりましたが、今日は日の出こそ見られなかったものの天気は回復して素晴らしい景色が広がりました。
先日までの厳しい天候により各所で遭難事故がありました。その後にはこの素晴らしい景色を見せてくれる「自然」。僕達の力なんて到底及ばないものがあります。だからこそ美しいのでしょう。神々しさを感じる今日の景色でした。
シュカブラ(風紋)は風によって造られます。同じ形は二度と現れません。どうしたらこんな美しい形になるのでしょうか。
天気は回復したものの風は強く吹いていました。槍ヶ岳には激しい雪煙が舞い上がり続きました。
今朝は-20℃を下回る気温でした。小屋の中にいても寒くてたまりませんでした。しかし、次第に回復していく天気の中見えてくる景色は素晴らしく外が気なって出たり入ったりの落ち着かない一日でした。山頂の脇には立山が写っていますが、立山が見えたのは本当に久しぶりです。
日の入りが見られたは今冬季営業中では三回目になります。冬は晴れる日が少ないので、夕陽を見る機会も当然少なくなります。
今日の天気は晴れたものの穏やかな天気ではありませんでした。風が強く気温も低かったので、写真では伝わらないかもしれませんがここまで登ってくるのも楽ではなかったことかと思います。低い気温、強い風、歩きにくい足元、これらにより想像以上に体力を奪われての小屋への到着となったことでしょう。
だからこそここから見る景色の感動はより大きなものになったことでしょう。
河地
初日の出。
2015/01/02
この三ケ日はあまりいい天気予報ではなかったので、初日の出が見られるのはもっと先かと思っていたら、7時過ぎ、雲の中からぼんやりとでしたが太陽の姿を見ることが出来ました。これが初日の出となりました。
幻想的な初日の出です。
越年登山をされた方々もほとんど下山されて行きました。昨夜からの天気からして、まさか初日の出が見られるとは皆さん思わなかったことでしょう。奇跡的な初日の出でした。
日の出の後、更に雲は取れて行き、山頂や槍ヶ岳がくっきりと見えだして来ました。昨日までの賑わいの片づけで、なかなか外にでられなかったのですが、ほんのちょっと外に出たらこのような素晴らしい景色を見ることが出来ました。山の積雪は日に日に増え、山は白さを増しています。
昨日に続き、今日も餅つきをしました。お客様だけでなくスタッフも楽しそうです。
明日からは書き初めコーナーをご用意いたします。山小屋で今年の抱負を書いてみてはいかかがでしょうか。
河地
2015年スタート。
2015/01/01
新しい年が始まりました。今年も皆様にとって良い年になりますように。
初日の出は残念ながら見ることが出来ませんでした。一時風が弱い時間帯もありましたが、気温は-18℃と冬らしい一日となりました。それでも山頂がぼんやりと姿を現わすこともありました。青空に映える白い山頂の姿が待ち遠しいものです。
吹雪の中の下山となりました。今冬はなかなか厳しい冬になっているような気がします
年末年始を燕岳で過ごされた方はご連泊されていかれる方が多いです。
山の上でも正月を味わって頂こうと朝食は雑煮とおせち料理でした。
天気の合間をぬって山頂に行かれる方もちらほらといらっしゃいましたが、厳しい今日の天気では小屋の中でのんびりとされる方が多かったです。
今年最初の餅つきは小屋の中で行いました。天気が良ければ山頂をバックに外で行いますが、今日の天気では・・・。
この餅つきも今ではすっかり燕山荘の冬の恒例行事となっています。
テレビなどのニュースでもご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、昨日は低体温症による悲しい事故が起きてしまいました、スタッフはじめ、たまたま居合わせた医師や山岳ガイドの方々の精一杯の努力でもどうすることも出来ませんでした。改めて冬山の厳しさを感じました。冬山では決して無理をなさらないで下さい。低体温症は本人が気がつかないうちに進んでいきます。
冬山にはリスクの多い面もありますが、その分感動や得るものがたくさんあります。それを体験できる場所として燕山荘は冬季営業を行なっています。悲しい出来事がありましたが、このようなことが再び起こらないように努力していきたいと思います。くどいようですが、けして無理をなさらないで下さい。途中で引き返すことも大切です。自分の命は自分で守らなくてはいけません。
河地
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北アルプス燕岳(2,763m)の山小屋燕山荘のスタッフがリアルタイムでその日の出来事をお伝えしています。
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