大天荘 スタッフブログ
いよいよ秋。
2016/08/31
さかきです。
結局、今日の日の出時間の後まで、風と雲が小屋周りを渦巻き、朝から見事な台風一過とはいきませんでしたが、午前中のうちにはスッキリとスカイブルーが上空を占拠してくれました。
気付けば、広がる田んぼの色、どことなく茶色がかっているようで、今年の稲刈りシーズンも間近といったところでしょうか。 ▲大天荘本館とナナカマド
この子の実も、徐々に赤みを増すもの増えてきました。そんな季節になってきたんです。それもそのはず、昨日の午後からの冷え込みは、今朝2℃(大天荘の温度計にて)まで下がりました。
▲槍・穂高連峰 ▲表銀座縦走路から燕山荘、剣・立山連峰 ▲双六岳~野口五郎岳 裏銀座方面 ▲大天荘から常念岳方面
数日前とは違い、雰囲気はやはり夏山から秋山へと移行しました。良くも悪くも台風10号がもたらした季節の歩み。
明日から9月。私の好きな季節“秋”の到来です。
ここぞとばかり“秋探訪”に精を出していきたいと思います。
気温は徐々に秋模様。
2016/08/30
さかきです。
未明からの雨は、昼過ぎの今もしっかり止み間なく降り続けています。久しぶりの“いい雨”。チョロチョロ程度の水量であった水源地には、大いなる恵みの雨となるに違いなく、なんとなくホッとしているところです。
ただやはりそこは台風の影響による雨。今のところ誰一人小屋の前を通られる方はいません・・・
ところで、気付けば気温はだいぶ下がり、昼過ぎ、大天荘の温度計では外気温7.6℃。今日のように風雨がある中、この気温ですと、稜線歩きは注意が必要です。
それは低体温症です。
低体温症は、雪や冬だけに起こる事象ではなく、夏や今ぐらいの時期でも十分に起こり得るもの、むしろ気温が低い中、雨が降っているような時ほど、防寒装備の不備や体調が万全でない時に起こりやすくなります。
今や、登山関係の本やインターネット等でこの手の種々情報が得られます。
8月もあと2日。9月に入りタイミングさえ合えば、ここ標高2,900メートルの稜線上では、いつ初霜や初氷があってもおかしくない程の気温となってきます(朝晩5℃以下)。
にわかに夏空めいても、気温は徐々に秋模様。
これから山にお出かけになる際は、薄手のダウン等防寒装備も携行されることをお薦め致します。
そして何より、少なくとも山に出発される前日は、しっかりとした栄養補給と睡眠を十分に取られますように。高山症状の予防の基本となります。
さぁて、明日の台風一過が楽しみです・・・
ホシガラス。
2016/08/29
さかきです。
台風が日本列島を伺うようになると、北アルプス周辺上空は思いのほか雲の表情が多彩になることが多く、今朝のご来光前後も一興でした。
さて、今日の主役はこの方々達。
小屋から大天井岳山頂へ向かう途中、何やら「カチカチ」音がするので、辺り見回してみたら、いましたいました。
ホシガラスです。
ハイマツに実がなるこの時期は、朝を中心によく「ギーギー」と鳴いてはハイマツ辺りを必死に低空飛行。お目当てはもちろん“ハイマツの実”です。決して軽い体重ではないはずですが、上手にハイマツの枝につかまりつつ実をもぎ取っては、固い岩などの上にそれを置き、くちばしで小突いて中から上手に種なるものを取って食べる。
雷鳥に負け劣らずなかなかのお姿。食べてる最中失礼します。「何勝手に撮ってんだよ!今食事中だぞ!ジロジロ見ないで!」と言わんばかりの目線でこちらをチラッ。。
それならば、こちらも。
「食べ散らかさないで、きれいに片付けていきなよ!」
なんてね。
雷鳥もかわいいですが、この方々もなかなか愛らしい鳥達です。どうぞごひいきに。
それはツイてましたね・・・
2016/08/28
さかきです。
吹きつける風が少々体には堪えました。そう言われてみれば、この日の出前の空模様、どことなく秋めいた感じ。ちょんちょんと筆でなぞらえた雲を含むこの図、今日の私のお気に入りです。
▲槍・穂高連峰
稜線上の今日の天気予報では雨が降ったり止んだりとあったものの、予想に反し素敵な青空と相成りました。うーん、やはりこの冬の雪の少なさ、雪解けの速さが影響か、槍ヶ岳に通ずる沢沿いの残雪が異様に少なく感じるのは私だけでしょうか。それにしても改めて槍ヶ岳の崇高な容姿、今日は特に立派に見えました。
▲双六岳~三俣蓮華岳~野口五郎岳方面 裏銀座 ▲剣立山、鹿島槍~白馬方面
「昨日は燕山荘でクラシックコンサートが聞けて、今日は雨の覚悟で来てみたらこんなパノラマ見られて、ツキまくってます!」
と、山頂にいたお三方。
ほんと、その通りですね。
キャンセル・・・
2016/08/27
さかきです。
8月最後の週末、つまりは夏休み最後の週末。
憎き台風10号の間接的影響、とは言うものの実際は今のところ雨風大したことなく・・・とはいえ、霧雨交じりで何も見えなければ、大量のキャンセルの電話受けても、「致し方ない・・・」とあきらめつくかな。
足元に咲いていたトウヤクリンドウ。今日のこの図は、去りゆく夏と人通りの少なさから来る、どことなく物寂しい雰囲気を漂わせるもの。
昨日、“特異日に期待”していたのだけれど、今年はちょいと難しかったかな・・・
特異日に期待。
2016/08/26
さかきです。
私がとやかく説明するまでもなく、まさにご覧の通り。
そんな朝焼けも、陽が昇るのと同時に今度は山を淡い感じで紅く染め上げ、 ▲穂高連峰 ▲槍ヶ岳
短い時間ではありましたが、久しぶりにサンライズ劇場堪能させて頂きました。
さぁ、まもなく8月最後の週末です。明日燕山荘では、夏の締めくくりとなる毎年恒例のクラシックコンサートが行われます。以前にもお伝えしたのですが、このコンサートがある日は、“晴れの特異日”。過去二十数回行われた中で、開催時間帯に雨が降ったのはたった2回だけでした。
台風10号がごそごそ動き始めているようで、その余波かどうかは定かではないけれど、明日の予報はあまり芳しくありません。
そんな予報跳ね除けて、特異日効果に期待したいところですね。
文明の利器。
2016/08/25
さかきです。
そんな今日は、2週間に一度のヘリコプターによる物資輸送の日。早朝からガンガン荷揚げがありました。 ▲東邦航空 アエロスパシアル式AS350B3エキュレイユ
自称ヘリコプターファンである私、荷揚げの日は気分が高まります。
以前にも紹介しましたが、よくお客様から「ここ大天荘の荷物はどこから揚げるの?」という質問よく頂きます。この画像で、2ヶ所〇で囲った所が、その主な関係先。左の〇は、大天荘も加わる燕山荘グループの拠点、ずばり「燕山荘」。右の〇は、同じグループである「合戦小屋」。
大天荘の荷物は、ここ合戦小屋から揚がってくるのです。 ▲合戦小屋辺り ▲燕山荘
合戦小屋から歩けば4時間前後の道のりも、ヘリコプターにかかれば片道3~4分程度。なんともありがたい文明の利器です。
そんなわけで、下界で売られている同じ商品、山小屋ではその輸送費等の兼ね合いで、少々値が張ってしまうこと、予めご承知おき願いたいと思います。
けれど、今日この輸送のおかげで、品切れおこしていた売品関係や食材が一挙に潤いました。
手拭い「雷鳥とコマクサ」柄も再入荷。
そ・し・て、9月からの“芋煮”の具材も揚がってきました。
お楽しみに・・・
明日は我が身です。
2016/08/24
さかきです。
二日前のブログにて、所用で燕山荘まで出かけた旨お伝えしましたが、実のところ、その行きしな、不覚にも出発してものの1分経たない場所で、右足首をくじいてしまいました。
怪我した日こそ、やや足を動かすに不便を感じましたが、腫れなどあるものの、今は普通に動き回るには支障ないほどまで回復はしました。
山での遭難事故が、なかなかゼロにならない理由、今回思い知らされたような気がします。
「まさか自分が・・・」
なんてことない所での捻挫。場合によってはこれで救助要請・・・なんてことも、人によってはあり得るかもしれません。
この出来事自体、ブログに載せるかどうか迷いましたが、自分に対する戒め、並びに、登山される皆さんに、“明日は我が身”であることを、少しでもご理解頂ければとの思いで、今日お伝えさせて頂きました。
ヒトも雷鳥も一緒。
2016/08/23
さかきです。
比較的高い確率で今日の午後、にわか雨もしくは雷雨、なる天気予報が発表されていましたが、どうして、気持ちよい青空が雲の間から覗かせています。
「降られるのを覚悟して登ってきましたよ」
ラッキーでしたね。
さて、ここのところ、ほぼ毎日のように雷鳥達と遭遇しては、その微笑ましい光景にしばし私自身フリーズしていますが、今朝も小屋の裏手で食欲旺盛の家族とバッタリ。ミヤマゼンコを、ウサギギクを、ムカゴトラノオを、一生懸命啄む子供達。
「あんた達、食べてばっかりいないで、周りにも注意しなさいよ!」
なんて言ってるかどうかは定かではありませんが、だとすれば気が焦ってるのはお母さん。
ヒトも雷鳥もそのあたりは一緒ですね。
道端に可憐な花達と雷鳥。
2016/08/22
さかきです。
今日は所用にて午前中、燕山荘までピストンしてまいりました。
久しぶりに切通分岐から先の稜線歩き、台風の余波の心配あったものの、思いのほか悪い天気にはならず、快適な山歩きとなりました。
と、ここで雷鳥クイズ第1問。
正解は、無心に歩いていたら、ぞろぞろ動く雷鳥家族に道を阻まれ、思わずビックリしたのと同時にしばし待機。しかし先を急いでいた私、そろりそろり脇を通ろうとしましたが、母親だけ私と同じ道を進行。雛達はすぐ脇に避けて、皆私が通り過ぎるのをジッと待つ。「驚かせて、ごめんなさい」
と雷鳥に一礼し通過。
雛と呼ぶにはもう限界に近いくらい、親とほぼ同じ大きさにまで育っていました。無事にここまで大きくなるのを見ると、ほっと一安心します。
さて大天荘~燕山荘の道中、大天荘ではもう咲き終わりや見かけることのない花達が、可憐に道端を彩り、帰路に就くころは霧に覆われ、辺り真っ白で何も見えない中、目を楽しませてくれるのには十分な演出でした。 ▲ミヤマコゴメグサ ▲オヤマリンドウ ▲ヤマハハコ ▲ミヤマアキノキリンソウ ▲ハクサンフウロ ▲コマクサ
大天荘より標高の低い縦走路だけあり、まだまだ元気いっぱいの花達。一方で、昨日も最後つぶやきましたが、ウラシマツツジ、中にはしっかり色づき始めてるものあり。秋近しなんて思ってしまいます。今年の紅葉の出来はいかに。
さぁ、今日はもう一問、雷鳥クイズで締めくくりましょう。
この中に何羽いるでしょう?
正解は、
ちょっと難しかったですかね。
行きしな遭遇した家族と再び切通分岐上でバッタリ。「僕たち、今日は台風が過ぎ去るのをこの辺りでおとなしく待ってるんだ!」なんて言ってるんですかね。
あぁ、よかった。
2016/08/21
さかきです。
昨夜8時頃、
お客様:「こんなにしょぼしょぼ雨降っているのに、本当に予報通り明日の朝は晴れるのですか?」
私:「ええ、ここ2、3日、“必ず”朝はご来光、夜は月と星がきれいですから。今晩も、もう直したら月夜になりますよ」
自分もいろんな気象情報をチェックして、総合的にアドバイスすることしかできないので、力強く答えたものの、正直自信はありません。
しかし、消灯後10時近くに外に出てみたら、夜景が見え、ぼんやり月明りも。
「あぁ、よかった」安心して床に就きました。
そして今朝、
昨日からの雨上り、空気は何となく湿っぽくも、澄み切った山並み広がり、ご来光に期待が持てます。 ▲5:10頃 ▲染まる槍・穂高連峰にお月様 ▲テント場から剣・立山連峰 ▲同じく穂高連峰 ▲同じく槍ヶ岳
昨日に引き続き、強い太陽光線が、辺り一面くっきり照らし出しました。きれいな朝が続きます。
今、太陽の出る位置は、浅間山と、志賀高原は四阿山の中間あたりとなります。浅間山から出る噴煙、おわかりになりますでしょうか。
上の写真からわずか十数分後、同じ方向でも異なる雰囲気となる光景を目に出来ます。これから秋にかけては、朝のわずかな時間内に、刻々と変わる光景が楽しめるようになります。
ふと、我に返り、「昨日お客様にお伝えしたこと間違いでなく、よかった」。
ちなみに、外れることもしばしばあるんですがね・・・
<秋の花>
今小屋周りを賑わせている花達。 ▲トウヤクリンドウ ▲ウサギギクとクチバシシオガマ ▲ムカゴトラノオ ▲ミヤマホツツジ ▲コウメバチソウ ▲コマクサ
そろそろ終わりを迎えそうなコマクサ。でもまだ元気なものもあります。
気付けば、ウラシマツツジが赤みを帯び始めてきました。
黄金色。
2016/08/20
さかきです。
今朝の太陽光線は、じつに強く輝き放ち、すべての物を黄金色に染め上げました。
そんなわけで、ここ数日、概ね朝はきっちりご来光を拝むことができるも、日中から日没にかけてはしょぼしょぼにわか雨、がパターン化。
一日中スカッと晴れ渡るような日がご無沙汰となりつつあります。今朝の様子から、今日こそ一日天気持つかなぁ、なんて思っていた矢先、朝の8時過ぎにはみるみる濃い霧に大天井岳あたり一面覆われてしまい・・・
“一日快晴”を待ちわびているというのに、日本の南海上には、なんてことでしょう、3つの台風が。
▲気象庁HPより(8月20日21時現在)
彼らが遠ざかるまでは、しばし“一日快晴”はお預けかな。
長野県下に影響を及ぼしそうなのは、台風9号のよう。
ここ一両日、山行計画お立ての方、いろんな気象情報駆使して、安全登山よろしくお願い致します。
お月様=綿帽子=秋
2016/08/19
さかきです。
方程式その1
満月だった昨日、そのお月様が今朝北鎌尾根の上で煌々と光っていました。
これ、日の出前の出来事。
そして、
ご来光は今朝で概ね5:10頃。何とも神々しい光景でした。
日の出前“月灯る槍ヶ岳”、日の出後“淡い陰影ある槍ヶ岳”、印象異なる槍ヶ岳を望め、今朝は贅沢なひと時でありました。
方程式その2
綿帽子のチングルマ=秋、これまた私の秋の方程式の一つ。
朝日に照らされる綿帽子は、なんともいえない情緒豊かな季節感を感じます。
夏休みもあと10日余り。
秋の装いを感じつつも、スカッと晴れればそこはまだ夏山。週末は天気もよさそう。
出かけましょう!山旅へ。
落ちていた羽。
2016/08/18
さかきです。
お盆休みが終わって以降、日中を中心に愚図つく日の続く、ここ大天井岳界隈。今日もにわか雨が降ったり止んだり。
「あぁ、明日は晴れてくれー!」
テント場から、叫びに近い声が聞こえてきました。そうですよね、重たい荷物を背負って待ちわびる光景は、槍穂であり、遠く剣立山であり、はたまた八ヶ岳連山から南アルプス。台風7号が近づいてきた頃から、天気の調子が狂ってしまいました。
週末には再び夏空が復活しそうな天気予報。このまま“夏”終わってもらいたくはないですね。
さて、先の画像を収めた後、足を延ばして登山道を歩いていたら、どうも雷鳥の羽のよう。
去年あたりから猿と雷鳥の生息環境が問題になっていますが、それとは無縁の産物であって欲しい、そう強く願いながらしばらくこの羽を見つめていました。
今、大天荘周辺では2家族の雷鳥達がうろうろしています。
もし見かけましたら、そっと温かく見守って頂きたいと思います。
月夜。
2016/08/17
さかきです。
お盆休みが終わり、どことなく秋の気配感じる今日この頃、気付けばまんまるお月様が夜空に似合ういい季節になってきました。
今年の中秋の名月は、来月の15日。
ちなみに今宵は風もなく、穏やかな月夜の晩です。
ちなみに、穂高連峰のてっぺんで小さく光っているのは、北穂高小屋の灯りです。
こうなると、“熱燗”持参で、大天井岳もしくは中天井岳にてちょいと一杯!という気分になってきますが、ま、来月までお預けにしておこうと思います。
まだ私の中では気分は夏山。熱燗の季節にはまだ早いかなと・・・
夏山、佳境。
2016/08/16
さかきです。
▲槍ヶ岳
▲穂高連峰
▲燕山荘方面、鹿島槍ヶ岳・針ノ木岳遠望
今のところ台風7号の余波は北アルプスにはほとんどなく、今朝もスッキリした空模様となりました。
「あー、今日でお盆休み終わりか・・・もう少し山歩きたい・・・」という、後ろ髪ひかれる思いで下山、帰宅の途に着いている方多いことでしょう。
それに加え、台風7号の“報道”の影響か、大天荘周辺の人通りはめっきり少なくなってしまいました。 ▲夕方の大天荘
テントの数も減り、何となく晩夏を漂わせる雰囲気に包まれています。
気付けば、トウヤクリンドウが小屋周り至るところに咲き、うーん、秋の足音、確実に忍び寄っているな、という感じを受けてしまします。
夏山シーズン、佳境です。
このお盆休み期間中、毎年お見えになる顔を大勢見かけましたが、このファミリーも足繁く毎年大天荘テント場に通って頂いています。栃木からお越しのご一家。このブログでも毎年登場して頂いていますが、息子さん達大きくなりました。年々お父さんお母さんが持つ荷物、お兄さんのザックに移行していっているそう。逞しくなってるんですね。皆で雷鳥を探したり、お父さんはゆっくりアルコールを楽しんだりと、家族皆さん各々この大天荘のテント場で夏休みを過ごされて帰っていきます。
しばらく玄関前でお見送り。
これまた夏の終わりを感じさせるワンシーンでした。
空もヒトも気分は上々。
2016/08/15
さかきです。
8月11日「山の日」以降のお盆休み、北アルプスは晴天続きとなり、連日大勢の登山者の方で賑わったようですが、ここ大天荘もそれにもれず、多くの方にご利用頂きました。改めましてありがとうございました。
ということで、忙しい!を理由にしばらく更新ご無沙汰してしまいました。今日はここ4日間の模様をダイジェスト版でお送り致します。
【8月11日 山の日】
しかし、日中の夏らしい青空と暑さに加え、夏山にふさわしい北アルプスの光景を前に、登山者の皆さんは大喜びだった様子。家族連れも多く見かけ、よい祝日ができたなと、それに一安心し夜遅く床に就いたのを覚えています。
【8月12日】
このお盆休み、とにかくテント泊多かった。前日11日、写真一枚しか撮れなかった私、溢れかえるテント村の様子をと、朝食事出しの真っ最中、ちょいと抜け出し、日の出前に一枚。賑わう小屋周りを眺め、「夏山っていいなぁ」。
朝から躍動感あふれる小屋周りの雰囲気、とてもいい感じでした。
▲日の出待ちわびる人 ▲テント場から剣・立山連峰、鹿島槍ヶ岳方面 ▲同じく槍・穂高連峰 ▲テント場から蝶が岳方面、遠く中央アルプス望む
日中はまたまた忙しさから一枚も撮れずじまい。
迎えた夕方。この晩もテント泊は多く、前日に続きテント溢れかえることに。
一方で、雲海に咽ぶ槍のてっぺんの図が、じつに印象的な夕方でもありました。 ▲中天井岳より
<お幸せに>
この日の朝、前日の山の日8月11日、大天井岳頂上でプロポーズ、見事ゴールインを決めたカップルに遭遇。
山で知り合い、今になっては彼女のほうが積極的な山登りをされるとか。
山の日にプロポーズとは何とも“山やさん”らしいカップルですね。どうぞ末永くお幸せに!
【8月13日】
日の出はもう5時台に突入。
この日の朝は、朝靄のベールに包まれた、なんとも上品な感じ。にわかに山頂に上がる時間をなんとかみつけ急行。山頂は、シャッター切る人達で活気づいていました。東を見ればご来光、西を見れば目の前に槍・穂高連峰。なんとも贅沢な山頂です、大天井岳は。
そしてこのお盆の時期の恒例の光景といえば、北穂高小屋に反射する太陽の陽ざしが輝き放つそれです。
これを見ると、「お盆だなぁ。そろそろ夏休みも終わりだな」。
そうなると、私の頭の中では、井上陽水「少年時代」がぐるぐる回るんです。
【8月14日】
▲大天井岳山頂より
前日から一変。この日は、何もかもがクリア感漂う一日となります。 ▲槍ヶ岳 ▲穂高連峰 ▲大天井岳より剣立山、針ノ木、鹿島槍から白馬方面
そしてスカイブルー広がる気持ちよい昼下がりへ。 ▲大天井岳と大天荘 ▲大天井岳と槍ヶ岳
と、以上4日間でした。
立秋過ぎたとはいえ、山はまだまだ夏山モード全開です。残りの夏休み、まだ予定決めかねている方、是非晴れ間をぬって、北アルプス大天井岳からの最高のパノラマを満喫しにお出かけください。
穂高 前にして何思う・・・
2016/08/10
さかきです。
台風が日本を掠めるように徐々に去り、台風一過と言えるものではありませんが、見事なまでの夏のギラッとした陽ざしと澄み渡った山並みが、今朝北アルプス各地から望めたことでしょう。
▲槍・穂高連峰
出発される方々の足取りは軽やか。この空模様の中歩ける登山者の方々がじつに羨ましい・・・ ▲穂高連峰
今日のベストショット(自画自賛)。
この穂高を目の前にして、何を感じられたのでしょう。
ほんと、澄み切ったいい山並みでした。
さぁ、明日は一年目となる「山の日」。山人にとってはジッとしていられないのでは。お天気も良さそうですし。
大天荘も、問い合わせが多く、明日からしばらく混み合う日が続きそうで、何かとご不便おかけすることなるかもしれません。
賑わいを目前に控え、今日は物資の補給。そう、ヘリコプターによる空輸の日でした。 ▲東邦航空 アエロスパシアル式AS350B3エキュレイユ
ここ最近、荷揚げの日と天候がうまく噛みあわず、延期になる事度々でしたが、今日は気持ちよく予定通りに終えることができました。
これでお盆休み中の食材・飲料関係は全て揃いました。後は、お見えになる皆さんが、素敵な思い出と共に楽しい山旅迎えられるよう、我々スタッフ頑張るのみですね。
皆さん、素敵な山旅を!
冴えた感。
2016/08/09
さかきです。
昨日の夕方、風の冷たさ云々と申し上げましたが、その後今朝にかけて、この時期としては気温が下がりました。大天荘に備え付けの寒暖計では、外気温8℃前後。
今日は日中にかけ、雲や霧に覆われやすく、吹く風も昨日に引き続き冷たかった。
恐らく、台風が日本の東海上に抜け、大陸から小さい高気圧が張り出し、言ってみれば西高東低のような気圧配置により、大陸の冷たい空気がいたずらをした結果なのでしょうか。
夕方になると、霧は一段と濃さを増しました。真っ白けだったにもかかわらず、うーん、なんとなくこれは、霧の合間から槍穂が出てくるかもしれないな・・・久しぶりに“感”というものが働き、いざ山頂へ。
ちなみにこれから先の画像は、ものの十数分間の出来事。
その後はというと・・・
月齢6.3のお月様が槍ヶ岳の上空に浮かぶ、素敵な図へと辿りついたのでした。
自分が山頂でシャッターを切っていたら、後から女性お二人が山頂に到着。
「小屋周り真っ白で、何も見えない状況下でカメラ片手に山頂へ歩いて行かれたので、もしかしたら何か見えてくるのかな、と思ってついてきました」とのこと。
続けて、
「こんな風に槍穂が見えてくること知っていたんですか?」
私:「何となく長年ここにいて培った感が冴えたんですね。見えてくるなと思いました」
最も的外れのことのほうが多い中で、今日は久しぶりに感が冴えました。
ちなみに今は満天の星空で頭上は輝いています。
思いのほかよかった、夕焼けショー。
2016/08/08
さかきです。
今日は台風5号の余波なのか、日中から夕方にかけてやや風の強い一日でした。その風に流されるかのように霧や雲が、ちぎれ状に流れては消えての繰り返し。ただ基本はいい天気でした。
そして迎えた今日の夕刻。正直今日はあまり期待していなかった分、山頂への足取りは決して軽いものではなかったのですが、それはそれは見事な夕焼けショーとなったのです。
観衆のほとんどは、このタイミングで早々に小屋に戻られたのですが、今日はここからがいい感じでした。
日没後も風に流されやってくる雲に巻かれて真っ白になることもあり、風の冷たさなどに少々挫けそうになりましたが、ジッと堪えた甲斐があったというもの。
最終的には私含め3名だけ。
正直、大天井岳山頂で実際に目にした雄大さはこの画像からはあまり伝わらないのが残念ですが、うーん、今日は思いのほかよかった。2枚目の槍ヶ岳上空にはお月様も輝いているんですが、わかりますか?
なんとも贅沢な夕焼けショーを楽しませて頂きました。
まだお預け。
2016/08/07
さかきです。
8月入って最初の週末だった昨日今日、山は賑わいました。殊に今朝ご覧のようなご来光ショーとなり、太陽が出た瞬間、拍手や歓声が普段以上に大きいものとなりました。
神々しいとはまさにこの事、この一瞬が見たくて登ってくる人も少なくないはず。下界で生活していれば、普段目にすることのないこの光景、汗水流し、やっとの思いで登ってきたご褒美としてはこの上ないものに違いありません。
人込みから離れたところで、瞬間を待ちわびる人達。何を思うのでしょう。
映画やドラマのワンシーンのよう。背後の鹿島槍ヶ岳から白馬岳がいい味を出しています。
今日は高瀬渓谷に入った薄いベール状の朝靄が印象的でした。
・・・と、優美な朝を迎えた今日も、日中は夏の陽ざしが燦々と降り注ぎ、暑い一日となり・・・ ▲槍ヶ岳連峰 ▲大天井岳と大天荘
けれど、皆さん覚えてましたか、今日“立秋”だったんです。早いというかなんというか・・・まだまだ夏山を満喫したいところ、秋の気配はもう少し先にお預け願いたいですね。
そして今日一日の締めくくりである夕刻は、こんな感じでした。これもじつにいい。
週間天気予報は、この先一週間概ね晴れマーク続き。
いい山旅に応えれる空模様となりそうです。
と、このいいお天気の中、山を歩けると、自然とこんな笑みが顔からこぼれる人多くなります。地元安曇野からお見え頂いたスキー教室仲間。先生と生徒さん達の集まりだそうです。常念岳~大天井岳~燕岳コースを満喫中。今日はその燕岳方面へと出発されて行きました。
「大天井岳、最高!地元安曇野の最高峰にふさわしい大展望に感動しました!」
絶賛頂きました。ありがとうございました。
またいずれ山の上で、その笑顔にお逢いしたいですね。
<雷鳥クイズ>
さぁ、お母さん雷鳥はどこでしょう?
答えは、いかかでしたか?
小屋に戻ろうとした途中で、雷鳥親子達に道を通せんぼされてしまいました・・・なんてね。
夏が来た!
2016/08/06
さかきです。
来ましたよ、本格的な夏が!
緑色の山肌に、白い雲と真っ青な空。これぞ夏山!の図です。いずれもお昼頃に撮ったものですが、この時間帯にこれだけ晴れ渡った北アルプスを拝むことができるのは、冗談抜きでもう十数日ぶりかもしれません。
▲大天荘と大天井岳
気温も昨日までとは違い、ジュースが飛ぶように売れる程の暑さ。
登山者の顔は笑顔で溢れかえっているのが、受付脇の窓越しからもよく見えました。暑くても、これだけの青空の中、山を歩ける喜びと言ったらないでしょう。
▲中天井岳から有明山と安曇野平
里もよーく陽ざしが降り注ぎ、本格的に暑そう。いつでも涼みに山にお出かけください。
夕方は、雲が織りなす夕焼けショー。
「期待以上の素敵な景色が見れて、ほんと幸せです・・・」
ほんと、今日一日朝から晩まで素敵な光景を目にすることのできた登山者の方々、よかったですね。
明日の朝は、きっと素敵な“ご来光劇場”で、小屋周り、大天井岳山頂周辺は、賑わうことでしょう。楽しみです。
太平洋高気圧の出番近し。
2016/08/05
さかきです。
ここ数日、午前中の早い段階から湧き上がる霧やにわか雨には、ほんと目も当てられません。ただ、朝はほぼ毎日きれいなご来光を望むことができます。今日もそれにもれなく。
夏休みは中盤、この週末以降、家族そろっての登山や旅行をお考えの方も多いのでは。気になるのは空模様ですね。
いつ以来でしょうか、夕方久しぶりに大天井岳界隈は霧の切れ間となり、ぼんやりとではありましたが、周辺の山並みや遠くの雷雲を眺めることができました。夏の夕刻にふさわしい図。
そう、いよいよ太平洋高気圧の出番のようです。徐々に力を付けてきている感が感じられます。
明日は、本当の夏が来た!と言わんばかりの青空と白い雲と山並みの三拍子が揃った光景を目に出来るはずです。
山にお出かけの方、どうぞ楽しい山旅を!
大きくなったなぁ。
2016/08/04
さかきです。
今日は雷鳥クイズからスタートです。
大天荘テント場から槍ヶ岳方面を見ています。
さて、雷鳥はどこにいるでしょう。
正解は、
比較的簡単ですね。
母親が見晴らしの良い所に立ち、周辺を確認。無邪気に動き回る子供達が天敵に狙われないように安全を確認しているのでしょうか。
午前中、小屋の裏手の高台で少々お茶をしていたら、ハイマツの中から「クークー」「ピヨピヨ」の鳴き声が接近。雷鳥親子が雛5羽ほど連れて登場しました。
それにしても雛達、大きくなりました。
たまたまカメラを持っていたため撮影できましたが、その間、私ずっとしゃがんだ状態でジーッと動かず。レンズだけ彼らを追いかけていました。気付けば、私の周辺1メートル範囲まで接近。なんとも愛らしい雷鳥親子達でした。
ちなみに、今日はここ大天井岳界隈、夕立ゼロ。朝はここ数日と同じくきれいなご来光鑑賞でした。 ▲日の出 4:50頃
週末土日は、午後の夕立可能性を除けば、まずまずの空模様となりそうです。
皆さん、いざ!夏山へ。
共演。
2016/08/03
さかきです。
▲槍ヶ岳
昨日、紅く染まるモルゲンロートとは対照的に、これまたどことなく神々しい威厳の漂う槍ヶ岳の出現となりました。
▲大天荘テント場
先日“雷3日”なる話題をお伝えしましたが、一昨日より昨日、昨日より今日と、雷の頻度は低くなってきており、今日に至ってはここ大天井岳界隈、夕立性の雨もポツリポツリ程度。濃い霧が一層静寂さを漂わせているのか、久しぶりに地面を叩き付けるような雨音やゴロゴロ音のしない、静かな夕刻を迎えています。
ただ、雨は、植物達にとっては恵みの水。ここ数日の夕立は、花達にとっては元気の源。花の色の鮮やかさが増しているように感じます。
▲左からタカネヤハズハハコ、ウサギギク、クチバシシオガマ
▲オヤマソバ、ミヤマゼンコ、ミヤマアキノキリンソウ
花達の共演が、小屋周りで楽しめます。今これらの花達は見ごろです。
“雷3日”を信じれば、明日以降はそろそろ夕立も少なくなってくるのかな・・・
いやいや、ここは皆さんしっかり様々な気象情報を駆使した上で、安全で事故のない登山を楽しみましょう。
「夏だな・・・」
2016/08/02
さかきです
昨日午後の雷雨のおかげで大気は洗われ、今朝は雲多めでも割と澄み渡った光景が広がりました。
▲槍・穂高連峰 ▲槍ヶ岳 ▲穂高連峰
陰影の加減がとても印象的でした。北穂高岳直下に位置する北穂高小屋の窓辺に、ご来光の陽ざしが反射し、ここ大天荘テント場にその眩しい程の光が届く日も、例年お盆の頃になりますが、そんな日も間近です。そうなると、3~4日は楽しめます。
一方、北の方角を見れば、
▲剣・立山連峰
今日はいつにも増して、一の越の前にそびえる烏帽子岳がとても凛と存在感を現していました。大気が澄んでいたことに加え、差し込む光の加減が絶妙だったからでしょうか。とんがり帽子がいい感じでした。
そして、ここ数日日本上空に居座る寒気の影響で、朝晩関わらずあちらこちらで姿現す、遠方の雷雲は、ここ大天井岳からよーく確認することができ、新潟方面のものでしょうか、こういう光景を見ると、「夏だな・・・」とやっぱり思います。
ちなみにブログを書いている夕方5時過ぎ、今日も外は夕立と“ゴロゴロ”の共演です。
雷も、ある意味「夏だな・・・」なんですけどね。
<一つ屋根の下で>
毎年大天荘に遠く愛知から足を運んで頂く、大橋ご夫妻(真ん中お二人)。毎年来る度に素敵な山仲間との新しい出会いがあるそうで、夕べも食卓を囲んで楽しい山談義が夜遅くまで続きました。つい昨日まで見ず知らずの他人同士が、ちょっとしたきっかけがもとで縁が生まれる。これも山小屋泊まりならではの素敵な出会い。
どうぞ、これからも素敵な山旅を続けて行ってもらいたいと思います。
<おまけ>
▲東邦航空 アエロスパシアル式AS350B3エキュレイユ
今朝、ご来光が出てからものの1時間程で早くも霧が湧き上がり、みるみる小屋周りは真っ白くなりかける中、ヘリコプターの物資輸送がありました。この霧の中、積極果敢に攻めてくる今日のフライトは、まさに匠の技でした。いつもありがとうございます。
まだ8月1日、トウヤクリンドウ。
2016/08/01
さかきです。
毎年、大天荘ブログで必ず意図的に話題として掲載するものがいくつかある中で、今年は去年より2日ほど早くこの花の話題を。
一般的にこの花が咲き始めると、秋の気配が・・・という図鑑等での文面を目にしますが、まだ8月に入ったばかり。
小屋周りをいろいろ確認していたら、毎年早く咲き始める株が、見事に花をつけていたわけです。何とも早い。
梅雨が明けてまだ1週間足らず。夏山本番はこれからです。
最も夏の花、秋の花両方が共演している今、花の鑑賞を一番楽しむのに最適な頃となったわけです。
ちなみに、 ▲ミヤマアキノキリンソウ
この花も、今大天荘の玄関前をはじめとして、小屋周り咲き誇っています。
そんなトウヤクリンドウの発見をした今日、午後から大天井岳界隈は、かなり強い雷雨に見舞われています。外売店の水面には、大粒の雨が叩き付け、にわかに水面が踊っています。
“雷3日”などと昔から言われていますが、上空に入った寒気が落ち着くまでにはそれぐらいの日数がかかるということなんでしょう。
ここ一両日中は、午後からの雷に注意が必要な予報が出ています。
“早出早着”も昔から言われている山の決まり文句。
これからより本格化する夏山シーズンに向け、安全で無理のない山行計画を是非お願い致します。
<参考までに>
いずれも有料サイトになりますが、
・ヤマテン
・ウェザーニューズ
上記の携帯サイトでは、雷レーダーや雨雲レーダーを随時ご覧いただけるコンテンツがあります。
登山中、遠くでゴロゴロ聞こえたら、活用されると参考になるかと思います。
プロフィール
北アルプス大天井岳(2,922m)まで10分の場所にある大天荘スタッフが目にする自然の息吹をお届けします。
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サカキ様 相変わらず頑張り過ぎてますね!! 何時も良い写真を有難う御座います毎年、有明荘、燕山...
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