大天荘 スタッフブログ
下山報告と雑感。
2014/10/23
さかきです。
ご報告遅くなりましたが、10月19日にスタッフ全員無事に下山致しました。
毎年のことではありますが、ここでの4か月間、毎日この景色広がるそばで寝食生活していたこともあり、19日下山する時は何か一抹の寂しさを覚えました。これでまたしばらくここからの景色ともお別れかと思うと・・・
▲槍ヶ岳
▲穂高連峰
小屋閉め間際に降った雪は、積雪をこれ以上増すこともなく、我々が最後に目にするのは斑模様となった槍穂。
妙に冬景色なることはなく、この時期らしい姿でしょうか。
▲大天荘と大天井岳
小屋周りの残雪はほとんどありません。ただ、北側斜面に向いた登山道には、融けずに残る雪が、踏み固められ、一部凍っている箇所がありました。
※ただ、いずれも10月19日下山時点での模様です。その後の天気次第では降雪等により積雪が増しているかもしれません。
何はともあれ、快晴無風の中、スタッフ全員清々しい気分で無事に下山できたことは何よりです。
ここで改めまして、今シーズン大天荘をご利用頂きました、ご宿泊の方・休憩でお立寄りの方・テント泊の方全員の皆様に、心より感謝申し上げます。
また、忙しさにかまけて至らない点や気分悪くした方々も大勢いらっしゃったことと思います。お詫び申し上げます。
今後とも一人でも多くの方に気持ち良くご利用いただけるよう、努めてまいります。
今シーズンの大天荘スタッフです。あなた方にも私から感謝申し上げます。4か月間お疲れ様でした。
最近、自然環境下での仕事が、どんなに厳しいものなのか、我々スタッフは正直よくわかっていないかもしれません。ほかの地域での災害模様を見るたびに、いつもそう思います。もちろん自身が登山している中で経験する風・雨・雪・雷などの寒さや怖さはありますが、それはなんとか未然に防ぐことが可能な場合がほとんです。そうではない災害をここのところ多く目にするたびに、自然との向き合い方を考えさせられます。
そういった意味で、ここ大天荘で生活をすることは、ヒト本来の感性を磨くのにはじつによい場所だと思います。
そんな思いも、微力ながら一人でも多くの方にお伝えしていかないとな、と強く感じた年でもありました。
最後になりますが、今シーズンも大天荘を支えて頂きました燕山荘グループスタッフに皆様、大天井ヒュッテ様をはじめとする近隣の山小屋関係者の皆様、お引取業者の皆様、大変お世話になりました。また来年もよろしくお願い致します。
そして私共スタッフを陰で支えて頂きました各ご家族の皆様にも、感謝申し上げたいと思います。
とりあえずこれにていったんしめたいと思います。
今シーズンも拙い文章にお付き合い頂きまして、ありがとうございました。
まもなく下山します。
2014/10/18
さかきです。
ここ数日、小屋閉め作業に追われ、ブログの更新滞ってしまい、あれよあれよという間に、明日19日の下山を迎えるのみとなりました。
考えてみれば、明後日からはこの景色は逆に非日常になるんだと思うと、我々山の中で暮らす人々の、なんて贅沢な事かと、改めて思わせる今朝でした。
▲槍ヶ岳
▲穂高連峰
こちら方面は、もう冬の装い。
下山し、母体の燕山荘に今度上山する時には、完全に真っ白になっていることでしょう。
ということで、今シーズン山の上からの更新は、今夜にて終了致します。
さて、ちびちびとゆっくり呑むとするか・・・
今シーズンの営業は終了致しました。
2014/10/13
さかきです。
本日をもちまして、2014年度の大天荘の営業は終了致しました。
ご宿泊、テント泊、通過の方と、多くの方にご利用頂き、スタッフ一同心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
営業最終日にも関わらず、宿泊の方はゼロ・・・でした。
無理もなく、この台風が来てはお手上げです。今夜遅く長野県に最接近する模様。前回の同18号よりもかなり接近しての通過で、今午後8時ですが、かなり風雨が強まっています。
影響少なく、通過するのをジッと待つのみです。
明日から本格的に小屋閉め作業に入ります。
しっかり顔を出しました。
2014/10/12
さかきです。
日の出と共に一斉にカメラを身構えるそのシルエットが印象的。私もそのうちの一人というわけです。
そんな10月12日もまもなく終わり。明日13日が、今シーズン大天荘の最後の営業日です・・・と、まったく!この台風19号が恨めしいです。
このところ自然災害が相次いでいます。”明日は我が身”ではありませんが、台風の影響を小さく抑えるためにも、山・里に限らず、備えは十分にしたいもの。これだけたくさんの映像等を目の当たりにしているわけで、何かしら教訓としなくてはいけません。
【大天荘の営業について】
●2014年度の大天荘の営業は、明日10月13日月曜日のご宿泊までとなります。10月14日火曜日以降は、昼食営業等の営業はありませんので、縦走される方は行動食を必ずご持参願います。ただし、くれぐれも台風19号の動向に注視して山行計画をお立て願います。
●大天荘の代表番号090-8729-0797の回線は、明日13日月曜日の夜をもちまして今年度は終了する予定です。
【近隣の小屋の営業最終日】
・ヒュッテ西岳並びにヒュッテ大槍:本日10月12日の宿泊まで
・大天井ヒュッテ:明日10月13日の宿泊まで
あと2日。
2014/10/11
さかきです。
今シーズン最後の週末であり、三連休。
営業は残すところあと2日となりました。
けれど、人出の多い少ないは関係なく、自然が織りなす美しさは、余すところなく我々にお披露目してくれました。
▲日の入 17:23頃
北鎌尾根独標脇に沈む夕陽。なんとも穏やかな日の入りです。とても台風が近づいているとは思えませんが・・・。
とりあえず明日はもう一日お天気よさそうで、いい登山日和になりそうです。
【大天荘の営業について】
●2014年度の大天荘の営業は、明後日10月13日月曜日のご宿泊までとなります。10月14日火曜日以降は、昼食営業等の営業はありませんので、縦走される方は行動食を必ずご持参願います。ただし、くれぐれも台風19号の動向に注視して山行計画をお立て願います。
●大天荘の代表番号090-8729-0797の回線は、明後日13日月曜日の夜をもちまして今年度は終了する予定です。
秋の夜長。
2014/10/09
さかきです。
”秋の夜長”、これからの時期よく耳にしますが、この言葉とピッタリくるものといえば、やはり「月」ですね。
手前、安曇野平の夜景と相まって、実にいいです。
この夜景、大天荘の食堂からも楽しむことができます。
ちなみに食堂は、夕食後、”ランプの喫茶室”となっています。ほのかなランプの灯りの下、秋の夜長、月や夜景を楽しむもよし、読書をするもよし、お酒でほろ酔いになるもよし・・・各々の時間をお過ごし頂ければと思います。
先日も書いたような気がしますが、月の持つ不思議な力は、ヒトの感性を大いに豊かにさせてくれるような気がします。
今シーズン、ここ大天荘でのどかに月明かりを鑑賞できるのも、あと数日です。
【大天荘の営業について】
●2014年度の大天荘の営業期間は、10月13日月曜日のご宿泊までとなります。10月14日火曜日以降は、昼食営業等の営業はありませんので、縦走される方は行動食を必ずご持参願います。
●大天荘の代表番号090-8729-0797の回線は、同じく13日月曜日の夜をもちまして今年度は終了致します。
水場と雷鳥と皆既月食。
2014/10/08
さかきです。
お隣の大天井ヒュッテさん、ブログを見るに今日水場閉めに行かれたようですが、やはりここ大天荘も同様、水場の小屋閉めに出かけてきました。
余談ですが、槍ヶ岳を超望遠で寄ってみると、槍ヶ岳山荘さんの姿が(ちょっと遊んでみました)。
それはそうと、大天井岳の山肌の紅葉はすっかり終え、ダケカンバは見事に冬の装いとなっています。
所々黄色く見えるのはカラマツ。こちらはまもなく黄葉のピークを迎えることでしょう。
さて作業自体は順調に進み、
束ねる物は束ね、仕舞うものは仕舞いこみ、覆うものは覆い・・・
毎年のことですが、水は小屋にとってとても大事な生命線の一つ。この貴重な恵みに感謝です。また来年もよろしくお願い致します。
これまた余談ですが、今日は本当に気持ちの良い日和でした。作業の合間、水場で昼ご飯となりましたが、最高においしいひと時を味わいました。
言う事ないですね♪
帰り道のあちこちで、雷鳥に沢山遭遇。
これは周辺を見守る母親。
見かけは成鳥と変わりないですが、まだまだ無邪気な子供。ハイマツからひょこっと顔を出したところです。
また来年ここで再会しようね。
以上、今日の水場の閉め作業の模様でした。
・・・と、今日は最後にさらにもう一つ。大天荘から見た皆既月食の模様をご覧ください。
まさに宇宙の神秘ですね。
変わりましたよ!
2014/10/07
さかきです。
変わりました!雪に。
最も昨晩ブログを更新し終わった後、まもなくみぞれ模様に変わり、その後雪になったようです。
気温は一番下がった時で、ご覧の数字。恐らく夜中に雲が取れて、放射冷却により一気に冷え込んだと思われます。
ということで、今朝の模様を。
日の出は5:47頃。浅間山よりだいぶ南側に移動しました。
▲槍・穂高連峰
▲うっすら雪化粧した槍ヶ岳
皮肉にも、前穂高岳の左側に写る、噴煙あげる御嶽山がくっきり見えます。一日も早い収束を祈ります。
大天井岳南側斜面。ハイマツにうっすら積もった雪で、斑状ではありますが真っ白です。
▲大天井岳と背後裏銀座の峰々
こうして比較すると、やはり鷲羽岳含む裏銀座方面の峰々のほうが、降る雪の量多いのがわかります。
▲剣・立山連峰
なにぶん、ほんのうっすら程度ですので、恐らく午前中の日差しで、この辺りは消えて無くなります。束の間の雪景色、久しぶりでしたので、十分堪能させて頂きました♪
これからの時期は、コースによりますが、台風等が通過した後、北からの寒気を引き寄せ、今日ぐらいの降雪が起こり得なくもありません。
防寒対策はもちろんですが、縦走など行く先によっては、夏の装備では厳しくなる所も出てきますので、その都度最新の気象情報や山小屋情報をご確認の上、安全で楽しい山旅をお過ごし頂ければと思います。
〈おまけ〉
こちらのほうが、初積雪っぽい絵で、自分は好きです。
雨は夜更けすぎ・・・
2014/10/06
さかきです。
台風18号、ここ大天井岳周辺には、さほど強くもない雨と風をもたらした程度で、足早に遠ざかって行きました。
ただ、太平洋沖に抜けたのと同時に、気圧配置が弱い冬型となったため、夕刻より気温がどんどん下がってきています。
最も”積雪”というレベルまではならないと思いますが。
これを聴くにはちょっと時期尚早ですが、山下達郎さんの「クリスマス・イヴ」が、今頭の中をぐるぐる流れています♪
明日の朝が楽しみです♪
スタッフの特権。
2014/10/05
さかきです。
台風18号、長野県への最接近は、明日6日の午前中から昼ころにかけてとなりそう。今後の情報に注視です。
何事もなく過ぎ去って欲しい・・・御嶽山の件もあるので、なおさらそう感じます。
ということで、今日はヒト気が全くと言っていいほどありません。
こんな時こそ、普段合間合間を見てやっていた小屋内での各所補修作業等が一気にはかどるタイミング。
新館床のニス塗りなど。
こんな日、ヒト気がないと、彼らは何のためらいもなく、小屋先をチョロチョロ動き回ります。
何羽いるでしょう?
今シーズンの大天荘の”住人”は、今のところ4羽です。最後尾についているのが母親です。前を歩く子供達、すっかり大きくなりました。
夢中になって、イワツメクサを食べています。かわいいですね。
玄関先から場所を移動して、どこへ行くのでしょう?背後にトイレの建物が写っています。
すっかり葉が落ちたナナカマド。その周りに落ちている実を啄んでいます。
混み合う日では、玄関先でこうはお目にかかれません。小屋に住むスタッフならではの特権ですかね(^^)
台風18号。
2014/10/04
さかきです。
ヤマテンの予報では、明日明後日、北アルプスの稜線は大荒れの天候になりそうです。
また、台風の通過後は、吹き返しの風と共に寒気が流入し、かなり冷え込むようです。昨日少し記しましたが、もしかすると雪が舞う可能性も。
ちなみに、去年の10月16日の台風26号が通過した後、この辺りは薄く雪化粧しています。
ここ1両日中は無理な行動はお控え頂くと共に、その後はかなり冷え込みが予想されますので、防寒対策等、装備の不備がないよう、ご注意願います。
ちなみに今日の夕方は、嵐の前の静けさとでもいいましょうか、きれいな夕焼けでした。
考えてみれば、夕焼けが出るという事は、明日はいい天気・・・なわけないですね。
赤い実。
2014/10/03
さかきです。
昨日のブログに引き続き、今日も未明から日中いっぱい、稜線上は断続的にかなりの強風となりました。
これにて、大天井岳周辺の紅葉は幕を閉じた感があります。
赤い実だけを残してのこの絵は、まさに晩秋を感じさせる一コマ。
もしかすると、来週頭には、台風が過ぎ去る頃、ひと雪舞うとしたら、赤い実がほんのり白い衣を纏う、さらにそんな光景を目にするかもしれません。
晩秋から初冬へと、これまた季節が前進することになるのかも・・・
さて、気になるその台風18号ですが、今のところかなりの勢力を保ったまま日本に近づいてきそうです。太平洋側を進みそうとはいえ、勢力が強いと、それなりに北アルプスにも影響を受けそうです。
今後の情報収集を小まめに、山行計画をお立て願います。
【大天荘の営業終了日のお知らせ】
2014年度の営業は、10月13日月曜日のご宿泊までとなります。
雲によっては注意が必要。
2014/10/02
さかきです。
今日は午後から雨模様。前回の雨から2週間程経ち、地面や植物達にとっての潤いの雨となっています。
けれども朝方はきれいな日の出となりました。
レンズ雲の一種だとは思いますが、なんとも珍しい、波打つような雲が。我々仲間内では”ヘロヘロ雲”と呼んでいるのですが、概ねこのような雲がある時は、天気が下り坂もしくは強風になっていく傾向にあります。
先の飛行機雲も、なかなか消えず、ボワーッと広がるようでしたら、大気が湿っている証拠。やがて天気下り坂のサインとなることもあります。
・・・今PM8:30。このブログをしたためている最中に、今日のテント泊の方全員(3組4名様)が、小屋に入ってきました。皆さん、強風の影響でテントが崩壊してしまったようです。
ということで、山行中、こういったレンズ雲や吊るし雲等が現れたら、気を引き締めて注意が必要です。
プロフィール
北アルプス大天井岳(2,922m)まで10分の場所にある大天荘スタッフが目にする自然の息吹をお届けします。
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