2009/02/18 11:01

こころと脳の対話 by 河合 隼雄, 茂木 健一郎

今日は、水曜日です。
「本」当におすすめのコーナーです。




心理療法の大御所でいまは亡き、河合隼雄さんと、脳科学の分野で、
いまの脳ブームを、一手にしょって立っている茂木健一郎さんの、
三回に及ぶ対談集です。

茂木さん自身も箱庭を作って、それに関して河合先生と語り合って
いるところは、なかなかの名(迷)対談ではないでしょうか。

茂木さんは科学の分野でありながら、関係性や「割り切り」の科学
に対する、否定的な態度と、その科学でとらえきれない、こころの
分野を扱う河合先生の対談です。とても中味が濃いのです。


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 ●話を聞くだけで疲れてしまう人

カウンセリングにおいて、話の内容と、こっちの疲れの度合いの乖
離がひどい場合があるようです。わりとふつうの話をして帰ってい
ったのに、気がついたら、カウンセラーが、ものすごく疲れている
場合があるとのことです。その場合はもう、その人の病状は相当深
いそうです。

それは、こちら側が相手と関係を持つために、ものすごく苦労して
いる証拠。話のコンテンツ(内容)は簡単でも、そうでないところ
で苦労しているからです。

すごくしんどくなる人は、むずかしい人です。それは、言語的表現
と違うものが伝わってくるからです。人の知覚は、言語に頼りすぎ
います。しかし言語で表現されているのは一部分なのです。

言葉にするとき、その人の体験が、なかで動くのです。そういうの
をキャッチしているから、しんどくなることがあるそうです。また、
「しんどさ」は生きてるうえで必要なことです。だからもっとその
人を理解したりします。


 ●脳治療の倫理的課題

河合先生によると、立花隆さんの番組で、いちばんびっくりしたの
が、手足が震えるパーキンソン病のことです。

脳のある部分の神経伝達が、問題とわかっているから、脳の部分に
電極をあて調整すると、動きがふつうになり、オフにされると症状
が出る。オンにすると元通り。

もうひとつびっくりしたのが、ディプレッションのことです。「抑
うつ症」で、気分が沈んでなにもしなくなります。しかし、脳の中
の「悲しみ中枢」というところに電極をあてて調整すると、それが
完全に治って普通になります。

「身体脳」は、身体のあちこちを脳の指令で動かすところです。「
身体脳」をいろんな治療で治すのはよくわかるのです。しかし、「
抑うつ症」など感情を操作していいのかどうか。

ある脳科学者によると、「脳のこと全部わかったら、心のこと全部
わかると思わないでくれ」と強調していたそうです。

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☆いくらまとめても、まとめきれないとてもいい内容なので、数回
に分けて「つれづれに」にて、紹介していきたいと思います。



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