渡邉美樹講演会 その10
今日は、火曜日です。
「経営ノート」のコーナーです。
2006年11月22日に行われた、渡邉美樹社長の講演会をまとめたものです。
みなさんのお役にたてれば、幸いです。
10.できないことをするのが経営だ
人間性を高めるために働いていていくなかで、渦巻いてくる感情が出てきます。
怒りが込み上げてくることがあるのです。
例えば、レモンハイ。
レモンを搾ったあと、そのまま皮ごと酎ハイのなかに入れる人がいます。
しかし、レモンの皮には農薬が付着していて、
決して安全な食べ物とは言えません。
私たちは、安全安心を提供しなくてはいけません。
だから、和民は手作りにもこだわっているのです。
そこで、農家に行って調べました。
農家の人たちは、宇宙服のような物を着て農薬を蒔いていました。
しかし、自分たちが食べる分は、農薬をほとんど使っていません。
これが現実です。
これをすべて無農薬野菜にしようとしたら、
480円の和民サラダが1,500円になってしまいます。
それでは、誰も食べてくれなくなります。
和民サラダは480円でないといけないのです。
ある日、私は「480円で有機野菜の和民サラダを出す」と言いました。
有機野菜とは、3年間化学肥料等一切使わない土壌で、
無農薬でつくる野菜のことをいいます。
その言葉に誰もが「そんなことできない」と言ってきました。
しかし、できないことをやるのが経営です。
結局、自分たちで農場を経営することになりました。
それから10年経ち、いまは491haの農場になっています。
日本一の面積です。
やればできないことはないのです。
しかし、その一歩は“怒り”だったのです。
次に取り組んだのは、環境です。
飲食業では、たくさんのゴミが出ます。
しかし、それを分別したら、すべて資源になります。
残飯は肥料になります。
そのとき、すでに農場を営んでいたので、分別した後は楽でした。
このようにしてワタミはグループ企業になっていきました。
*なおこの議事録は、富田さんのご協力で、掲載しております。
(つづく)
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