上司はなぜ部下が辞めるまで気づかないのか? by 松本 順市
今日は、水曜日です。
「本」当におすすめのコーナーです。
正直、耳の痛くなる本でした。
若手が短期間で辞めていくというのは、いまどの会社でも起こっているようです。
人材派遣の会社の人でさえ、嘆いていました。
そこには、どんな問題があるのでしょうか?
転職があたり前になったとか、価値観が多様化したとか、
いろいろとあるでしょうが、最後は、というか、
いつの時代も、といったほうがいいでしょう、
自社の雰囲気や人ということになるでしょう。
その原点で、当たり前のことが、当たり前にできなくなっていることに、
この本を読んで気がつくわけです。
著者の松本さんは、現在は(株)多摩研代表取締役で、
人事コンサルタントをなさってますが、
大学3年生より、株式会社「魚力」にアルバイトとして入社しました。
大学4年生より社長室担当となり、社長の参謀役を務め、
大学院中退後に社員となり、社長の強い希望により労働環境の改善に取り組みました。
「3K」産業と呼ばれる魚屋の業界において、業界初のサービス残業なし、
週44時間・完全週休2日の勤務体制を実現しました。
その後、社員の成長を支援する人事制度を構築し、
定着率を飛躍的に向上させた実績を持っています。
そしてその結果として同社は、30年連続増収増益、
東証二部上場に至るという偉業を成し得ています。
そういう著者が書いているので、「うちは業界が悪いからな」などということが、
まったくのいいわけにならないわけです。
この本でのポイントは、「褒める」技術を磨くということに集約されます。
若手や部下を定着させ、成長させるには、まずは相手を「認める」。
相手を「認める」ためには、自分自身を「認める」。
認められたほうは、それに対し「ヤル気」を起こします。
その「ヤル気」の芽が、花になるまで時間はかかるでしょう。
しかし、すぐに結果が出なくてもあきらめない。
その結果、若手や部下が成長した暁には、
実は、自分自身が成長していたことに気がつくわけです。
内容は、少々オーソドックスかもしれません。
しかし、そういうものの中に、本質が隠されているものなのです。
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