安曇野市の工務店家造りコラム

2008/08/12 11:17

基礎修復工事では、1階部分の水平を取り戻すことができました。

その後は、修復工事であけた穴の埋め戻しや、掘り出した土・岩などの回収、ゴミの撤去などの復旧作業を行います。



穴がたくさんあった庭も



この様に復旧します。
他の部分も埋め戻していきます。



穴を開けるために、削ったコンクリート部分も後日しっかりと復旧します。



下の写真は掘り出した石をトラックに積み込んだところです。ちなみにこれが2回目です。2tトラック2台分の土と2tトラック2台分の不要な石が出ました。計4往復で、思ったより多くて少し大変でした。



これらの石はこうした基礎修復工事を専門に行っている職人さんたちが手こずるくらいの石の多さと大きさでした。

地盤が沈下してしまった理由もこの大量の大きな石が原因ではないかという見解です。

今回のケースで、なぜ地盤沈下が起きてしまったのか、次回にまとめてみようと思います。

2008/07/30 11:29

基礎修復工事の続報です。

暑い日が続く中、黙々と杭の設置作業が続いていましたが、ついに設置し終わりました。

後は、基礎を上にある建物ごと持ち上げます。

持ち上げる際もただ持ち上げればまた傾いてしまったりするので、内部の高さを正確に測定しながら、それぞれに杭に設置してある油圧ジャッキで微調整をしつつ持ち上げます。

上から見ているだけではよく分かりません。



基礎を持ち上げる日に穴にもぐらせてもらいました。


上の写真のように、各杭には油圧ジャッキがセットされています。そして、この油圧ジャッキに力を加えると、家を支えきれない地盤では杭が下にさがります。そこで、杭を溶接して延長しどんどん地面に潜らせていきます。そして、安定した地盤まで達すると杭の沈降は止まり、逆に基礎を持ち上げ始めます。その時に家の中の高さを測定しつつ、微調整しなが揃えていきます。


この写真は延長する杭を長さを測って切断しているところです。この様な杭をいくつも連結していきます。
ちなみに、今回は杭が平均で3m地下に伸びています。3m下に安定した地盤があるということです。


このような感じで、穴の大きさは中で人が作業できるくらいあります。また、家の内部の基礎には床をはがさなければ付近に穴が掘れないので、上の写真のように、外部の穴からトンネル状に穴を掘り進めて杭を設置しています。


基礎修復後は、誤差5mm以内で家の中が水平になっています。中に入って歩いて確認しましたが、以前ははっきりと分かった傾きも今は全く感じません。とても大変な工事でしたが、その分、効果はしっかりと出ています。

今後は、掘った穴を埋め戻して基礎修復工事は完了します。
これでひとまず、暮らしていく場所としての大きな問題は解消されました。



2008/07/19 18:04

今日は基礎修復工事の模様をお伝えします。

まず、現状がどのようになっているのかをご説明します。



上の図は簡単にした概略図ですが、現状はこのように特に1方向に向かって沈下しています。

第一歩として、まず基礎を持ち上げて水平に戻さなければなりません。

方法はいくつかあったので、専門業者との打合せ、コストの調整など検討を重ねました。その結果、今回選択した方法は、基礎そのものを安定した地盤まで届く杭で支えながら水平に戻すという方法です。

今回の工事を始めるに当たって、敷地内の地盤調査を行っているので、現在の地面がどの程度軟弱なのか、どのくらい深くまで行けば安定した硬い地盤に届くのかは分かっています。


この工法を行うために、まず基礎の下まで穴を掘り、杭を固定しなければなりません。



絵で描くと簡単ですが実際には











このように、重機が入らない場所なので人の力で穴を掘っています。

暑い日が続いているので、そんな日は職人さんの作業服が汗で色が変わってしまうくらい大変な作業です。

掘り出した土は袋に詰めて、またこれも手作業ですが、丁寧に積んで頂いています。基礎修復後の埋め戻し工事の際に土を利用します。


これは穴の中に空気を送るダクトです。これがないと作業が出来ないくらい過酷な仕事です。


今回は19本の杭で下がっている部分の基礎を持ち上げます。一つの穴で2本の杭の工事を行ったりするので、19箇所で穴を掘るわけではありませんが、その代わりに家の内部の基礎に杭を固定するために横に数mトンネルのように掘らなければならない場所もあります。

現在はこの穴を掘る工事を進めている段階です。来週には各杭の設置が終わり、高さを測りながら水平に家を持ち上げる予定です。

2008/07/15 18:53

今日は松本市のリノベーション工事の様子をご報告しようと思います。

さて、先日のブログで、家としての基本性能を復旧させると書きました。このお家では、基本性能というより、もっと大事なことに問題を抱えていました。



地盤沈下です。



写真の階段部分にある薄い線がお分かり頂けるでしょうか。
もともとはこの位置に下にあるコンクリートの平面部分があったのですが、地盤沈下した分、平面部分が下がっています。この写真はほんの一例で、敷地内では、各所それぞれ異なる大きさで地盤が沈下していました。

地盤が均等に沈めば、問題ではありますが、被害はまだ少なく済んだかもしれません。しかし、この敷地では「不同沈下」という、偏った沈み方をしている地盤沈下であることが分かりました。

この「不同沈下」により、建物の中も平面度が失われていて、歩くだけでも床の傾斜を感じるほどです。家の中が傾いているというのは、思った以上に生活や健康に支障が出てしまいます。
建物への被害も、様々な場所での壁紙のひび割れや、

各部屋のドアの閉まり具合、備付家具への影響などが発生しています。

僕も、実際にここまでの地盤沈下の状況を自分の目で見ることは初めてでした。

今回の物件は私たちの会社で建てさせて頂いたお家ではないので、なぜ、このようなことになったのか、ハッキリとした答えを出すことはできません。しかしながら、家を建てたときに、地盤調査を行っていれば、このようなことにはならなかったのではないでしょうか。


幸いなことに、このお家での地盤沈下は修復できる程度ではありました。しかし、修復のためにかかるコスト・時間は少なくはありません。

現在は法律によって、10年の瑕疵保証が義務化されています。そのために、地盤調査と保証を行うことが当たり前になりつつありますが、これから家作りを行うみなさまもどうか地盤のことも大切にお考えください。

さて、肝心の、どのようにして、地盤を、基礎を修復していくのかといった所は次回からお送りしていこうと思います。

地盤・基礎という最も重要な部分です。当然のことながら、専門業者さんに施工してもらっています。現在も施工中ですが、その作業の大変さは見ただけで分かるほどです。

2008/07/09 14:34

 だいぶ更新の間が空いてしまいました・・・と毎回書いている気がしますが・・・

 現在進行中の2プロジェクトの紹介をしたいと思います。

 1つ目ですが、松本市梓川で新築のお家を建てさせて頂いています。詳細はどんどん書いていこうと思いますが、基本コンセプトとして、少々難しいテーマがありまして・・・その分やりがいがあったのですが、プランニングに少し時間を頂いてしまいました。現在はプランニングを承認頂き、正式なご契約も頂いて着工しています。

 2つ目は、松本市の住宅のリノベーション工事です。リノベーションとはリフォームとの正式な境界線はなく、ニュアンスとしては、大規模な改修工事を含め、現状よりもより良い付加価値を家に付けることだと僕は考えています。「再生」といった意味合いのあるリノベーションですが、今回の住宅は実は「家」としての問題がありまして、まず、「家」としての基本性能を復旧させるところから始めなければなりません。詳細は今後ブログで紹介させて頂きますので、そちらをご覧頂きたいと思います。

 どちらのプロジェクトも、工務店として、また僕個人として「家づくり」、「家の再生」にどのように関われるのか、オーナーのために何ができるのかを常に考えながらやらせて頂きますので、ご期待頂けたらと思います。

 梅雨もまだ明けずジメジメした日々が続いています。そんな中でも施工している職人の方々の仕事振りを見ると、負けないようにしなければと、気合を入れています。

プロフィール
地元の工務店ならではの地域ネタや、当社スタッフのシックハウス診断士補のシックハウス対策コラムなど、皆さんに役立つ情報を発信していこうと思っています。

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