2016/03/02
今月のテーマ
《 叶える 》
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2016年3月1日
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・有賀泰治
1、「なぜ登るのか」と問われたら・・・「そこに山があるからだ!」
若くして世界五大陸の最高峰を制覇するなど、傑出した登山家、探検家として知られた植村直巳氏。
ある時、 “ 探検家に必要な資質は ?” と問われ、こう答えた。「臆病であること」。意外に思える言葉だが、自然の怖さを熟知するゆえの謙虚さが伝わってくる。
一方で、氏の自伝『青春を山に賭けて』を開くと、痛快な冒険譚(たん)にあふれている。100ドル余りしか持たずに単身アメリカに渡ったり、船賃を惜しんでアマゾン川をイカダで下ろうとしたり・・・
事を始める際、臆病なほど慎重に現実を見据え、可能性あらば大胆に挑む。「世界のウエムラ」と仰がれた人物の真髄を垣間見る。
蛮勇と勇気は違う。氏は「勇気」を体得していた。
「勇気」はまた、いかなる苦衷(くちゅう)の中に入っても、希望を失うであった。
山がそびえ立つ。「なぜ登るのか」・・・
2、失敗も苦悩も、挑戦している証し。ありのままにその姿を見せる、 その挑戦をやめない限り、いつかは勝利の頂を制覇することができる。
地球上には標高8千メートルを超える山が14座ある。 “ 14サミッター ” とは、そのすべてに登頂した登山家の称号。日本人では、竹内洋岳さんが初めてだ。
10年前、プロの登山家となる際、高所登山家の魅力を伝える役目を自らに課した。心掛けたのは、失敗も困難もオープンにすること。都合の良い場面だけを見せても伝わるはずない、と。14座目の登頂挑戦の取材を申し込んだテレビ局には、こう条件を出した。 “ 登れなかった時も、たとえ山で亡くなっても、必ず放送すること ” と・・・・・ (『登山の哲学』NHK出版)
3、ウルトラマンは、地球では3分しか戦えなかった。その厳しい条件を課されながら、怪獣を倒した。ここにも、名作となった理由があるのかもしれない。
今年、放送開始50周年を迎える 「ウルトラマン」。
光の国からやってきて地球を守る正義の味方は、瞬く間に子供達の心をつかみ、その後の兄弟シリーズも人気を博した。「最も多く派生シリーズが誕生したテレビ番組」として、ギネス世界記録にも認定された。
ウルトラの生みの親・円谷英二監督は若い頃、ミスをきっかけに、予算も設備も調わない “ 格下 ” の映画制作会社に回された。だが、そこで、少ない光量で撮影したネガを特殊現像で補正したり、粗末なセットを立派に見せるなど、数々の技術を編み出し、後の成功の基礎を築いた。
“ 特撮はお金が掛かるのでは?” と問われた円谷監督はこう答えた。 「冗談いっちゃ困るね」「大体トリックというのは貧乏の生んだ知恵なんだ」(昭和41年9月「キネマ旬報」)
恵まれた環境がなければ、よい成果が出せないとは限らない。与えられた条件の中で、知恵を絞り、創意工夫を重ねる中で、誰にもまねできないほどの作品さえ生み出せる。苦難の中で、不屈の自己が生み出せる。
4、「臆病にては叶うべからず」
強き祈りを根本に、大胆に立ち向かえば、努力の結果がついてくる。
スーパーで、真剣な表情でお菓子を選ぶ女性がいた。そこは「合格」「勝つ」などの言葉が入ったお菓子が並ぶ特別コーナー。なんだって利用して弱気を追い出したい。
入試本番のこの時期、同じ思いの人は多いだろう。
将棋界に名を残す将士・升田幸三氏が、著書(『勝負』中央公論社)に幼児期の思い出を書いていた。
力自慢の父親が薪割りをしていると、年配の “ じいさん ” がやってきた。 “ じいさん ” の動きはゆったりとしているのに、父親よりも多く割る。どんな木にもペースが落ちない。よく見ると父親は、割りにくい節を避け、ペースを乱していた。 “ じいさん ” は常に節の上に斧を振り下ろしていた。
実際の試験では、難問を避け、優しい問題から解くのが定石。だが気構えにおいては、苦手な分野を恐れず、弱気や不安という「心の節」を正面から打ち破る。・・・・・それが、勝利を引き寄せる秘訣ではないか。
「伸びる人は、いつも自分を向上させるような暗示を自分にかけている」というのも勝負師・升田氏の言。
5、 どんな人でも、少なくても一日一つ、自分には難しいと思われることに挑戦し、それをやり抜かないかぎり、人として大した成長はできない。
・・・・・エルバート・ハーバード/教育家・著述家
人生は挑戦することに面白みがある。そして、毎日挑戦する人が、いわゆる使える人、できる人、事を成し遂げていく人になる。なぜなら挑戦する人は、現状に甘んじていれば、自分の成長も、自分の未来も大したことはないとよくわかっているからだ。
反対に、できない人、使えない人、伸びない人は、自分の現状を変えようとか、自分の能力を向上させようとか思わない。いかに楽しく生きていこうかということを考えるために、新しい目標や難しい目標に挑戦することはしないのだ。
こうしているうちに、挑戦しない人は、時代にも、周りにも取り残され、ただ他人の行為に助けられて生きている人になってしまうのだ。
エルバート・ハーバードは毎日挑戦する人を力強く応援する。
こういう人こそが、自分の人生を挑戦させられるひとであり、社会の宝物であると見ているのである。
6、 人は、挑戦と失敗を経て本物の喜びと人格を手に入れられる
本物の人格は、安楽と平穏からつくられることはない。挑戦と失敗の苦しみを通してのみ、精神は鍛えられ、夢は明確になり、希望が湧き、そして成功が手に入る。こうして初めて本物の人格ができあがる。
・・・・・ヘレン・ケラー/教育者・社会福祉事業家
本物の人格を身につけた人が社会の宝だと思う。なぜなら、彼らが、世の中のために、社会の貢献のために、動いてくれることで、私たちも勇気を得、その生き方に学ぼうとするからだ。
本物の人格はどうやってつくるのか。
それは、まず目標を立て、それに挑戦するところから始まる。挑戦すると、すんなりいくことはまずない。ほとんど失敗する。
失敗をすると苦しむ。なぜだ、なぜ失敗したんだ。何が自分に足りなかったんだと悩む。これが精神を鍛えることになる。本当は、つらいはずだ。では、あきらめるのか、そうはいかない。なぜ自分は挑戦したんだ。夢があるからではないか。それを実現することがうれしくてしかたないのではないか。より大きな喜びと楽しみを知るためではないか。こうしていくことで、本物の人格ができていく。
「私は絶えず喜びを求めながらいきている。そのための苦労には精いっぱいに耐える努力を惜しまない」本田宗一郎/ホンダ創業者
7、苦労あっての大きな飛躍
飛ぶためには、抵抗がなければならない。
・・・・・マヤ・リン/芸術家
古今東西の偉人たちは、口を揃えて言う。
飛躍するためには、苦労、苦難の経験がいる。と、まずは、夢に向かって挑戦する。動く。そして必ず障害や抵抗にぶつかり、それをきっかけにして、飛び上がるチャンスをつかむのだ。
シェークスピアの言葉。 「逆境が人に与える教訓ほど、うるわしいものはない」
サン・テグジュペリの言葉。 「犠牲とは、おまえをなにものからも切断することなく、逆にお前を富ませるものだ」
勝海舟の言葉。 「人は何度も辛酸を経験して初めてその意志が固まってくるのだ」
吉田松陰の言葉。 (牢獄に入れられる松陰に対して)「父が笑顔で言われた。『一時の屈(しゃがみ、苦労すること)は、万世に伸びていくためのものだ。どうして嘆きかなしむことがあろうか』と」
太宰治の言葉。 「笑われて、笑われて、強くなる」
みんな、みんな、すごくいい言葉、励まされる言葉ではないか。
8、人生は自由。すべては自分が決める。
人間は自由であり、つねに自分自身の選択によって行動すべきである。
・・・・・ジョン・ポール・サントル/哲学者・作家
まず人間は自由であることを強く確認したい。しかし、世界の現実は厳しく、日本のように完全に個人の自由が認められ、社会も自由な国はなかなか存在しない。日本には実質的に、階級による制度も、人権による差別も、独裁者(一党独裁も含む)による支配も、ゆがんだ教育や法律そして外交による表現、行動の自由の制約もないのだ。
だからだろう。そういう環境の中で日本のビジネスマンは大いに働き、日本に世界有数の経済発展とビジネスの隆盛をもたらした。
ドラッカーは言う。
「人生から何を得るかを問い、得られるものは自らが投じたものによることを知ったとき、人は人として成長する。また組織から何を得るかを問い、得られるものは自らが投じたものによることを知ったとき、初めて人は人として自由になる。なぜなら、それは自分次第なのだとわかるからだ」
このように、すべての結果は自分次第であり、自由でなりたい自分がつくれるということだ。決して人のせいにしてはいけないことも含んでいる。
9、 お金持ちになる法・原理 原則
富への道は、それを望めば簡単なことなのだ。それはビジネス上の取引のやり方と同じである。勤勉と節約だ。時間とお金を決して浪費せずに、この二つを最大に活用しよう。
まじめに働いてお金を得、必要な支出を除いて得たお金を貯金するのである。こうすれば必ずお金持ちになれる。正直に努力するすべての人に祝福をお与えになる神様が司る、この世界においては、必ずそうなるのである。
・・・・・ベンジャミン・フランクリン/政治家・科学者・著述家
“ お金持ちになる法 ” がいろいろ説かれているが、幸福なお金持ちになるには、フランクリンが説くように勤勉、節約法しかないということだろう。
アダム・スミスも、有名な『道徳的感情論』の中で、それなりに困らない程度の富を得る者は、それに応じた徳を積んでいかないと、不幸になると警告している。
まずは、仕事能力を身につけ、稼げる人にならなければならない。組織や社会に貢献できるほど打ち込むべきだ。そして時間とお金を無駄使いしない。これが原理原則だ。
フランクリンは、主張の “ 勤勉、節約 ” が有名となりガチガチの人間にも思えるが、そうではなかっただろう。アメリカ独立の支援を得るためパリの社交界に乗り込むが “ モテモテ ” の男で、フランスの名家の暖炉の上には、その肖像画が飾られていたというくらいだ。自分のやりたいことを見つけ、人生を楽しんだ。 “ 自己投資 ” し、それを社会に生かす過程が楽しくてしかたなかったのだろう。そのための “ お金持ちになる法 ” だったにちがいない。
10、夢や目標を実現している気分、ふりに徹する。
まだ自分には無理だ、もの足りない、と思うようなことでも、それらしくふるまうのだ。
自分の望む奇跡的な人間になってしまうのだ。
嘘でもいいから、そうするのだ!
やりたい役を演じなさい。演じるのは現実世界で、やりたい気持ちは内なる声だ。
・・・・・ウエイン・W・ダイアー/スピリチュアリスト
一種のイメージトレーニングである。ただイメージトレーニングというと、スポーツの世界だけで取り入れられているという狭いイメージがあるが、ここでは、人生における夢や目標の実現、達成も視野に含めている。
自分の人生を思い描き、ぜひともこうなりたい、こうしたいというものが出てくる。ところが、今の自分には、力がない。遠く届かないかもしれない。何か手はないか、そこで、すぐに始めるとよいのがダイアーの述べる、すでに夢や目標が実現してしまっているふりをすることである。このふりをしているうちに、自分でも不思議なのだが、何となく本気になってくるものだ。
材料も磁石に引きつけられるように集まってくる。必要な人材まで集まり始める。
こうして、結局、夢や目標を実現している自分を見るようになるのである。
11、夢を追う。
私たちにその夢を追う勇気があれば、すべての夢は実現する。
・・・・・ウォルト・ディズニー/アニメータープロデューサー
イギリスの詩人アルダス・ハックスリーは言った。
「天才の秘密は、子供のときの精神を大人になって持ち続けられるということだ。つまり、それは自分の情熱を失わないことだ」と。
人は、小さい頃から必ず夢を持っている。これは10代、20代と続くことも多いが、20代あたりから怪しくなる。現実の生活に追われたり、世の中なの大変さを知ると「やっぱり、そうは甘くないな」と言い訳をしてしまう。
しかし、情熱を失わない人もいるのだ。ディズニーのような人だ。
高橋歩も言う。
「夢はいつも逃げない。逃げるのはいつも自分だ」
まんが『宇宙兄弟』の兄六太が言う。
「僕の敵は、だいたい僕です 自分の “ 宇宙へ行きたい ” っていう夢を さんざん邪魔して 足を引っ張り続けたのは 結局僕でした」と。
12、時をまつ心も必要
悪い時が過ぎれば、よい時は必ず来る。おしなべて、事をなす人は、必ずと時の来るのを待つ。あせらずあわてず、静かに時の来るのを待つ。
時を待つ心は、春を待つ桜の姿といえよう。だが何をせず待つことは僥倖(ぎょうこう)を待つに等しい。静かに春を待つ桜は、一瞬の体力もなく力をたくわえている。たくわえられた力がなければ、時が来ても事は成就しないだろう。
・・・・・松下幸之助/パナソニック創業者
(【僥倖】・偶然に得るしあわせ。)
各ビジネスパーソンに成果主義の思想が導入され、また一年の決算でその経営責任を問う傾向が強まった現代だが、一つ大きな問題が出てきた。これまで、日本を大成功に導いた多くを見ればわかるように、「時を待つ心」が必要なのだ。とくに、経済社会は大きな波でもって動く。そのうえに、個人の資質としても、じっくり心を練り、ブレない自分の生き方を確立した人こそが事をなす。
松下幸之助の人生を見ればよくわかる。
(一時の責任しか負わない今の経営者が、勝手に社名《松下電器】を変え、横文字にしてしまったが、松下幸之助の名を社名に止め、「時を待つ心」の大切さを若い人たちに伝えていくことのほうがどれほど重要か・・・・・)
一年に一度の桜の花と香りをかぐ中で、日本人は世界一「時を待つ」ことのできる民族をつくってきた。
新渡戸稲造『武士道』は言う。
「彼らは、その短い快楽が終われば、新しい力と新しい決心をもって、日常の生活に戻っていくのである」
13、石橋を叩いたら渡れない
石橋を叩いて安心を確認してから決心しようと思ったら、おそらく永遠に石橋は渡れない。やろうと決めて、どうやったらできるか調査せよ。
・・・・・西堀栄三郎/探検家
仕事ができるかどうかの一つの基準は、やるべき事を頼まれたり、自分で決めてたりしたときに、すぐにできない理由を探す人かどうかということである。もちろん、できない理由を探す人はできない人だ。さらには、石橋を叩いて自分の安全を確認してから渡ろうとする人である。
おそらく、こういう人は自分自身の身の安全、保身ばかりが気になるために、西堀栄三郎元南極越冬隊長が述べたように、おそらく永遠に石橋を渡れない人なのだろう。
「やるべき」ことが決まっているというのなら、あとはどうすればやれるのか、打開策を見つけていくしかない。
また、これが人生の一つの醍醐味であろう。もちろん、リーダーはこの挑戦やプロジェクトに各人が打ち込めるように環境を整えてあげるのが重要な仕事といえる。
14、 自由の意味
自由とは、なにかをなしたい要求、なにかをなしうる能力、なにかをなさねばならない責任、この三つのものに支えられております。
・・・・・福田恒存(つねあり)/評論家
現代人のキーワードの一つは「自由」である。
やっと、自由の意味を考え、実現である時代になってきている。しかし、すべての国、地域ではない。日本などほんの一部の国々で進められていることだ。だからこそ、人類のためにも、ここで失敗することは許されない。
世界に、人として正しいあり方は何か、つまり自由とは何かを示し、その素晴らしさを維持、保障していくこと(社会への責任)をしっかり示していきたいものだ。その点、この福田恒存の言葉は、とても参考になる。自由とは、自分がやりたい事をやっていくことを決められる。
そこには自分への信頼がある。こういう事をやる能力があるはずだ、だからやる。そして、以上の自分の思いを遂げていくうえでは、そういう国、社会を前提とする。
この自由を認めない勢力、外国の圧力には戦わねばならぬし、国の繁栄のための責任、義務を果たさなければならない。
15、今月の言葉
学び続ける
人間の性質は生まれた時には、ほとんど差がないけれども、学びによって大きく隔たってくる
・・・・・伊與田覺(論語普及会学会)
ひたむき
人間がもっとも美しくみえるとき、それはひたむきに、一所懸命何かに打ち込んでいるときだと私は思う
・・・・・野村克也(野球評論家)
人生の豊かさ
どんな人でも何がしかの素晴らしい役割を持って生まれてきたわけです。その役割を通じて、世のため、人のために尽くすことが大事なのです。世のため人のために尽くすことによって、自分の運命を変えていくことができます。自分だけよければいい、という利己の心を離れて、他人の幸せを願う利他の心になる。そうすれば自分の人生が豊かになり、幸運に恵まれる
・・・・・稲盛和夫(京セラ名誉会長)
「願いに生きる」
この世に生を受けた誰もが、その人なりの願いを持って生きている。自己一身の名利栄達を求める願いもあれば、一切衆生の悩みを救わんとする大願もある。人々の抱く願いは千差万別である。
だが、どんな願いであれ、願いに生きることは尊い。願いを抱いて生きることができるのは、人間だけだからである。
「忘己利他慈悲の極み」と仏教は教える。一つの願いが他者をも幸福に導くものであれば、その尊さはいや増す。何を願うか。どんな願いを抱くか。その内容が人間の格を創る、とは多くの先賢が示すところである。
・・・・・白隠禅師が抱いた願いとは??
自分との戦い
努力とはわがままな自己との戦いになるが、この自己との戦いに勝つことなくしては、とうてい人の名にふさわしい尊い人たることはできないであろう。さぁ、ガンバロウ
・・・・・――平澤興(京都大学元総長)『人生心得帖』
凡事徹底
日常の本当に些細な、他人から見たらどうでもいいようなことであっても、それをコツコツと積み上げていく――。それが人生を変えていく
・・・・・鍵山秀三郎(日本を美しくする会相談役)
幸福の祈り
短い時間でも瞑目し、縁ある人たちの顔を思い浮かべてその幸せを祈ってみられてはどうでしょう。いつしか心が穏やかになり、幸福感に満たされるはずです
・・・・・鈴木秀子(文学博士)
心を定める
道は 心を定めて 希望をもって 歩む時 開かれる
・・・・・松下幸之助(松下電器産業創業者/経営の神様)
素晴らしい人生
災難や苦難に遭ったら、歎かず、腐らず、恨まず、愚痴をこぼさず、ひたすら前向きに明るく努力を続けていく。
これから将来、よいことが起こるためにこの苦難があるのだと耐え、与えられた苦難に感謝する。よいことが起これば、驕らず、偉ぶらず、謙虚さを失わず、自分がこんなによい機会に恵まれていいのだろうか、自分にはもったいないことだと感謝する。
これが素晴らしい人生を生きるための絶対条件
・・・・・稲盛和夫(京セラ名誉会長)
高い頂
一流だと思うこと自体がもう一流でなくなる始まり。もっと上を、もっと高い頂きを目指そうという気持ちを持った人が、やっぱり伸びる
・・・・・今田洋輔(「銀座九兵衛」二代目店主/寿司職人、現代の名工)
ロマン
やっぱり魅力っていうのは、その人にロマンがあるかどうかじゃないですか。夢ですよ。夢を持っている人のところに人が集まってくる
・・・・・早乙女哲哉(天ぷら「みかわ是山居」主人/日本随一の天ぷら職人)
手を合わせて生きる
まず生まれたことの不思議に手を合わせましょう。いま生きていることに感謝をしましょう。そして、いまこうしてこの場で巡り会ったことに手を合わせましょう
・・・・・横田南嶺(臨済宗円覚寺管長)
決して諦めない
如何に長いトンネルでも、掘る手を止めねば、いつかは必ず貫通する
・・・・・森信三(哲学者/教育者)
成功の秘訣
人生はまず自分の手近にある義務を果たすこと。そうすれば自ずから先が見えてくる
・・・・・李登輝(台湾元総統)
知恵の蔵
美しい心を持ち、夢を抱き、懸命に誰にも負けない努力をする人に、神は「知恵の蔵」から一筋の光明を授けてくれる
・・・・・稲盛和夫(京セラ名誉会長)
奇跡
いつ如何なる状況であろうとも、ただ今この場所で生きている、生かされている、この大いなる奇跡に心から感謝して全てを受け入れ、精一杯生きることこそ、真の修行
・・・・・横田南嶺(鎌倉円覚寺管長)
祈り
人力の限りを尽くしたあとは祈るしかない。そういう状態になった時に、天地は不思議な力を与えてくれる
・・・・・『小さな人生論 ポケット名言集』
道は開かれる
憎しみからは何も生まれない。いままでの自分をすべて受け入れたとき、初めて道は開かれる
・・・・・新垣勉(全盲のテノール歌手)
人間の格
希望をもって生きることの出来るのは、人間だけである。希望の内容が人間の格を創る
・・・・・平澤 興(京都大学元総長)
祈り
仕事は祈りである。仕事は人生を内容づけ、価値づけるもので、人生の目的そのものといわれよう
・・・・・平澤 興(京都大学元総長)
願望
脊髄(せきずい)の奥でふつふつと願望をたぎらせていると、天の一角からチャンスが舞い降りてくる
・・・・・渡部昇一(上智大学名誉教授)
未来を創る
自分の意志が未来を創っていく
・・・・・安倍昭恵(内閣総理大臣夫人)
成功するまでやる
成功するまでやる。
成功するまでその志を変えない。
極めて簡単なことだけれど、
往々にしてそれができない
・・・・・松下幸之助(パナソニック創業者)
伸びる人
簡単なことを真剣に聞く人間は強くなる
・・・・・阿部由晴(常盤木学園高等学校サッカー部監督)
成長
壁に苦しみ、悩み、傷つき、苦悶し、格闘する中で、
人は人格を成長させていく
言霊
楽しい楽しいって言っていれば楽しくなるし、
大変大変って言っていれば大変になる。
言葉は言霊といわれるように、たとえ苦しくても口にするのはいつもプラスの言葉だけ
・・・・・浅利妙峰(320年続く糀屋本店女将/塩糀ブームの火付け役)
コツコツ
なんでもないようなことをコツコツ続けていくことで道は拓けてくる
・・・・・鍵山秀三郎(イエローハット創業者)
誠心
誠心誠意やっていれば必ず認めてくれる人が現れる
・・・・・池田武邦(建築家)
天佑
素直な心で自分たちのできる最大限のレベルのことをやっていくと、天佑という出会いがある
・・・・・江見朗(レストラン・エクスプレスCEO)
一途一心
卑屈にならず、ひたすらに、ひたむきに一つのことに打ち込んでいると、あぁこれならできるというものが見つかる
・・・・・天野篤(順天堂大学医学部教授)
生き方
自分の生き方を正すことで、周囲の人たちが正され、
その人たちによって国や社会が正されていくという広がりを持たなければ、
本当の「修身」ではないのでしょう
・・・・・松浦光修(皇學館大学教授)
欠けた心
自分の欠けた心をそのままにしている限り、決して本当の幸福は掴めない
・・・・・安藤大作(安藤塾塾長/生徒数2000人、三重県トップクラスの学習塾に育て上げる)
自信
一日も休まずにやる。それが自信になる
・・・・・小宮正江(ゴールボール女子日本代表主将/ロンドンパラリンピック金メダリスト)
ささやかな
幸せも喜びも、苦しみも悲しみも、ささやかな日常の中に全部ある
・・・・・沢知恵(歌手)
伸びる人
伸びる選手は到達したい目標へ懸ける決意が本物
・・・・・佐々木則夫(サッカー日本女子代表監督)
貫く
大切なのは、抵抗に遭った時、自分の意志を貫くことができるかどうか
・・・・・安岡定子(安岡活学塾 銀座・寺子屋こども論語塾専任講師)
《 叶える 》
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2016年3月1日
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・有賀泰治
1、「なぜ登るのか」と問われたら・・・「そこに山があるからだ!」
若くして世界五大陸の最高峰を制覇するなど、傑出した登山家、探検家として知られた植村直巳氏。
ある時、 “ 探検家に必要な資質は ?” と問われ、こう答えた。「臆病であること」。意外に思える言葉だが、自然の怖さを熟知するゆえの謙虚さが伝わってくる。
一方で、氏の自伝『青春を山に賭けて』を開くと、痛快な冒険譚(たん)にあふれている。100ドル余りしか持たずに単身アメリカに渡ったり、船賃を惜しんでアマゾン川をイカダで下ろうとしたり・・・
事を始める際、臆病なほど慎重に現実を見据え、可能性あらば大胆に挑む。「世界のウエムラ」と仰がれた人物の真髄を垣間見る。
蛮勇と勇気は違う。氏は「勇気」を体得していた。
「勇気」はまた、いかなる苦衷(くちゅう)の中に入っても、希望を失うであった。
山がそびえ立つ。「なぜ登るのか」・・・
2、失敗も苦悩も、挑戦している証し。ありのままにその姿を見せる、 その挑戦をやめない限り、いつかは勝利の頂を制覇することができる。
地球上には標高8千メートルを超える山が14座ある。 “ 14サミッター ” とは、そのすべてに登頂した登山家の称号。日本人では、竹内洋岳さんが初めてだ。
10年前、プロの登山家となる際、高所登山家の魅力を伝える役目を自らに課した。心掛けたのは、失敗も困難もオープンにすること。都合の良い場面だけを見せても伝わるはずない、と。14座目の登頂挑戦の取材を申し込んだテレビ局には、こう条件を出した。 “ 登れなかった時も、たとえ山で亡くなっても、必ず放送すること ” と・・・・・ (『登山の哲学』NHK出版)
3、ウルトラマンは、地球では3分しか戦えなかった。その厳しい条件を課されながら、怪獣を倒した。ここにも、名作となった理由があるのかもしれない。
今年、放送開始50周年を迎える 「ウルトラマン」。
光の国からやってきて地球を守る正義の味方は、瞬く間に子供達の心をつかみ、その後の兄弟シリーズも人気を博した。「最も多く派生シリーズが誕生したテレビ番組」として、ギネス世界記録にも認定された。
ウルトラの生みの親・円谷英二監督は若い頃、ミスをきっかけに、予算も設備も調わない “ 格下 ” の映画制作会社に回された。だが、そこで、少ない光量で撮影したネガを特殊現像で補正したり、粗末なセットを立派に見せるなど、数々の技術を編み出し、後の成功の基礎を築いた。
“ 特撮はお金が掛かるのでは?” と問われた円谷監督はこう答えた。 「冗談いっちゃ困るね」「大体トリックというのは貧乏の生んだ知恵なんだ」(昭和41年9月「キネマ旬報」)
恵まれた環境がなければ、よい成果が出せないとは限らない。与えられた条件の中で、知恵を絞り、創意工夫を重ねる中で、誰にもまねできないほどの作品さえ生み出せる。苦難の中で、不屈の自己が生み出せる。
4、「臆病にては叶うべからず」
強き祈りを根本に、大胆に立ち向かえば、努力の結果がついてくる。
スーパーで、真剣な表情でお菓子を選ぶ女性がいた。そこは「合格」「勝つ」などの言葉が入ったお菓子が並ぶ特別コーナー。なんだって利用して弱気を追い出したい。
入試本番のこの時期、同じ思いの人は多いだろう。
将棋界に名を残す将士・升田幸三氏が、著書(『勝負』中央公論社)に幼児期の思い出を書いていた。
力自慢の父親が薪割りをしていると、年配の “ じいさん ” がやってきた。 “ じいさん ” の動きはゆったりとしているのに、父親よりも多く割る。どんな木にもペースが落ちない。よく見ると父親は、割りにくい節を避け、ペースを乱していた。 “ じいさん ” は常に節の上に斧を振り下ろしていた。
実際の試験では、難問を避け、優しい問題から解くのが定石。だが気構えにおいては、苦手な分野を恐れず、弱気や不安という「心の節」を正面から打ち破る。・・・・・それが、勝利を引き寄せる秘訣ではないか。
「伸びる人は、いつも自分を向上させるような暗示を自分にかけている」というのも勝負師・升田氏の言。
5、 どんな人でも、少なくても一日一つ、自分には難しいと思われることに挑戦し、それをやり抜かないかぎり、人として大した成長はできない。
・・・・・エルバート・ハーバード/教育家・著述家
人生は挑戦することに面白みがある。そして、毎日挑戦する人が、いわゆる使える人、できる人、事を成し遂げていく人になる。なぜなら挑戦する人は、現状に甘んじていれば、自分の成長も、自分の未来も大したことはないとよくわかっているからだ。
反対に、できない人、使えない人、伸びない人は、自分の現状を変えようとか、自分の能力を向上させようとか思わない。いかに楽しく生きていこうかということを考えるために、新しい目標や難しい目標に挑戦することはしないのだ。
こうしているうちに、挑戦しない人は、時代にも、周りにも取り残され、ただ他人の行為に助けられて生きている人になってしまうのだ。
エルバート・ハーバードは毎日挑戦する人を力強く応援する。
こういう人こそが、自分の人生を挑戦させられるひとであり、社会の宝物であると見ているのである。
6、 人は、挑戦と失敗を経て本物の喜びと人格を手に入れられる
本物の人格は、安楽と平穏からつくられることはない。挑戦と失敗の苦しみを通してのみ、精神は鍛えられ、夢は明確になり、希望が湧き、そして成功が手に入る。こうして初めて本物の人格ができあがる。
・・・・・ヘレン・ケラー/教育者・社会福祉事業家
本物の人格を身につけた人が社会の宝だと思う。なぜなら、彼らが、世の中のために、社会の貢献のために、動いてくれることで、私たちも勇気を得、その生き方に学ぼうとするからだ。
本物の人格はどうやってつくるのか。
それは、まず目標を立て、それに挑戦するところから始まる。挑戦すると、すんなりいくことはまずない。ほとんど失敗する。
失敗をすると苦しむ。なぜだ、なぜ失敗したんだ。何が自分に足りなかったんだと悩む。これが精神を鍛えることになる。本当は、つらいはずだ。では、あきらめるのか、そうはいかない。なぜ自分は挑戦したんだ。夢があるからではないか。それを実現することがうれしくてしかたないのではないか。より大きな喜びと楽しみを知るためではないか。こうしていくことで、本物の人格ができていく。
「私は絶えず喜びを求めながらいきている。そのための苦労には精いっぱいに耐える努力を惜しまない」本田宗一郎/ホンダ創業者
7、苦労あっての大きな飛躍
飛ぶためには、抵抗がなければならない。
・・・・・マヤ・リン/芸術家
古今東西の偉人たちは、口を揃えて言う。
飛躍するためには、苦労、苦難の経験がいる。と、まずは、夢に向かって挑戦する。動く。そして必ず障害や抵抗にぶつかり、それをきっかけにして、飛び上がるチャンスをつかむのだ。
シェークスピアの言葉。 「逆境が人に与える教訓ほど、うるわしいものはない」
サン・テグジュペリの言葉。 「犠牲とは、おまえをなにものからも切断することなく、逆にお前を富ませるものだ」
勝海舟の言葉。 「人は何度も辛酸を経験して初めてその意志が固まってくるのだ」
吉田松陰の言葉。 (牢獄に入れられる松陰に対して)「父が笑顔で言われた。『一時の屈(しゃがみ、苦労すること)は、万世に伸びていくためのものだ。どうして嘆きかなしむことがあろうか』と」
太宰治の言葉。 「笑われて、笑われて、強くなる」
みんな、みんな、すごくいい言葉、励まされる言葉ではないか。
8、人生は自由。すべては自分が決める。
人間は自由であり、つねに自分自身の選択によって行動すべきである。
・・・・・ジョン・ポール・サントル/哲学者・作家
まず人間は自由であることを強く確認したい。しかし、世界の現実は厳しく、日本のように完全に個人の自由が認められ、社会も自由な国はなかなか存在しない。日本には実質的に、階級による制度も、人権による差別も、独裁者(一党独裁も含む)による支配も、ゆがんだ教育や法律そして外交による表現、行動の自由の制約もないのだ。
だからだろう。そういう環境の中で日本のビジネスマンは大いに働き、日本に世界有数の経済発展とビジネスの隆盛をもたらした。
ドラッカーは言う。
「人生から何を得るかを問い、得られるものは自らが投じたものによることを知ったとき、人は人として成長する。また組織から何を得るかを問い、得られるものは自らが投じたものによることを知ったとき、初めて人は人として自由になる。なぜなら、それは自分次第なのだとわかるからだ」
このように、すべての結果は自分次第であり、自由でなりたい自分がつくれるということだ。決して人のせいにしてはいけないことも含んでいる。
9、 お金持ちになる法・原理 原則
富への道は、それを望めば簡単なことなのだ。それはビジネス上の取引のやり方と同じである。勤勉と節約だ。時間とお金を決して浪費せずに、この二つを最大に活用しよう。
まじめに働いてお金を得、必要な支出を除いて得たお金を貯金するのである。こうすれば必ずお金持ちになれる。正直に努力するすべての人に祝福をお与えになる神様が司る、この世界においては、必ずそうなるのである。
・・・・・ベンジャミン・フランクリン/政治家・科学者・著述家
“ お金持ちになる法 ” がいろいろ説かれているが、幸福なお金持ちになるには、フランクリンが説くように勤勉、節約法しかないということだろう。
アダム・スミスも、有名な『道徳的感情論』の中で、それなりに困らない程度の富を得る者は、それに応じた徳を積んでいかないと、不幸になると警告している。
まずは、仕事能力を身につけ、稼げる人にならなければならない。組織や社会に貢献できるほど打ち込むべきだ。そして時間とお金を無駄使いしない。これが原理原則だ。
フランクリンは、主張の “ 勤勉、節約 ” が有名となりガチガチの人間にも思えるが、そうではなかっただろう。アメリカ独立の支援を得るためパリの社交界に乗り込むが “ モテモテ ” の男で、フランスの名家の暖炉の上には、その肖像画が飾られていたというくらいだ。自分のやりたいことを見つけ、人生を楽しんだ。 “ 自己投資 ” し、それを社会に生かす過程が楽しくてしかたなかったのだろう。そのための “ お金持ちになる法 ” だったにちがいない。
10、夢や目標を実現している気分、ふりに徹する。
まだ自分には無理だ、もの足りない、と思うようなことでも、それらしくふるまうのだ。
自分の望む奇跡的な人間になってしまうのだ。
嘘でもいいから、そうするのだ!
やりたい役を演じなさい。演じるのは現実世界で、やりたい気持ちは内なる声だ。
・・・・・ウエイン・W・ダイアー/スピリチュアリスト
一種のイメージトレーニングである。ただイメージトレーニングというと、スポーツの世界だけで取り入れられているという狭いイメージがあるが、ここでは、人生における夢や目標の実現、達成も視野に含めている。
自分の人生を思い描き、ぜひともこうなりたい、こうしたいというものが出てくる。ところが、今の自分には、力がない。遠く届かないかもしれない。何か手はないか、そこで、すぐに始めるとよいのがダイアーの述べる、すでに夢や目標が実現してしまっているふりをすることである。このふりをしているうちに、自分でも不思議なのだが、何となく本気になってくるものだ。
材料も磁石に引きつけられるように集まってくる。必要な人材まで集まり始める。
こうして、結局、夢や目標を実現している自分を見るようになるのである。
11、夢を追う。
私たちにその夢を追う勇気があれば、すべての夢は実現する。
・・・・・ウォルト・ディズニー/アニメータープロデューサー
イギリスの詩人アルダス・ハックスリーは言った。
「天才の秘密は、子供のときの精神を大人になって持ち続けられるということだ。つまり、それは自分の情熱を失わないことだ」と。
人は、小さい頃から必ず夢を持っている。これは10代、20代と続くことも多いが、20代あたりから怪しくなる。現実の生活に追われたり、世の中なの大変さを知ると「やっぱり、そうは甘くないな」と言い訳をしてしまう。
しかし、情熱を失わない人もいるのだ。ディズニーのような人だ。
高橋歩も言う。
「夢はいつも逃げない。逃げるのはいつも自分だ」
まんが『宇宙兄弟』の兄六太が言う。
「僕の敵は、だいたい僕です 自分の “ 宇宙へ行きたい ” っていう夢を さんざん邪魔して 足を引っ張り続けたのは 結局僕でした」と。
12、時をまつ心も必要
悪い時が過ぎれば、よい時は必ず来る。おしなべて、事をなす人は、必ずと時の来るのを待つ。あせらずあわてず、静かに時の来るのを待つ。
時を待つ心は、春を待つ桜の姿といえよう。だが何をせず待つことは僥倖(ぎょうこう)を待つに等しい。静かに春を待つ桜は、一瞬の体力もなく力をたくわえている。たくわえられた力がなければ、時が来ても事は成就しないだろう。
・・・・・松下幸之助/パナソニック創業者
(【僥倖】・偶然に得るしあわせ。)
各ビジネスパーソンに成果主義の思想が導入され、また一年の決算でその経営責任を問う傾向が強まった現代だが、一つ大きな問題が出てきた。これまで、日本を大成功に導いた多くを見ればわかるように、「時を待つ心」が必要なのだ。とくに、経済社会は大きな波でもって動く。そのうえに、個人の資質としても、じっくり心を練り、ブレない自分の生き方を確立した人こそが事をなす。
松下幸之助の人生を見ればよくわかる。
(一時の責任しか負わない今の経営者が、勝手に社名《松下電器】を変え、横文字にしてしまったが、松下幸之助の名を社名に止め、「時を待つ心」の大切さを若い人たちに伝えていくことのほうがどれほど重要か・・・・・)
一年に一度の桜の花と香りをかぐ中で、日本人は世界一「時を待つ」ことのできる民族をつくってきた。
新渡戸稲造『武士道』は言う。
「彼らは、その短い快楽が終われば、新しい力と新しい決心をもって、日常の生活に戻っていくのである」
13、石橋を叩いたら渡れない
石橋を叩いて安心を確認してから決心しようと思ったら、おそらく永遠に石橋は渡れない。やろうと決めて、どうやったらできるか調査せよ。
・・・・・西堀栄三郎/探検家
仕事ができるかどうかの一つの基準は、やるべき事を頼まれたり、自分で決めてたりしたときに、すぐにできない理由を探す人かどうかということである。もちろん、できない理由を探す人はできない人だ。さらには、石橋を叩いて自分の安全を確認してから渡ろうとする人である。
おそらく、こういう人は自分自身の身の安全、保身ばかりが気になるために、西堀栄三郎元南極越冬隊長が述べたように、おそらく永遠に石橋を渡れない人なのだろう。
「やるべき」ことが決まっているというのなら、あとはどうすればやれるのか、打開策を見つけていくしかない。
また、これが人生の一つの醍醐味であろう。もちろん、リーダーはこの挑戦やプロジェクトに各人が打ち込めるように環境を整えてあげるのが重要な仕事といえる。
14、 自由の意味
自由とは、なにかをなしたい要求、なにかをなしうる能力、なにかをなさねばならない責任、この三つのものに支えられております。
・・・・・福田恒存(つねあり)/評論家
現代人のキーワードの一つは「自由」である。
やっと、自由の意味を考え、実現である時代になってきている。しかし、すべての国、地域ではない。日本などほんの一部の国々で進められていることだ。だからこそ、人類のためにも、ここで失敗することは許されない。
世界に、人として正しいあり方は何か、つまり自由とは何かを示し、その素晴らしさを維持、保障していくこと(社会への責任)をしっかり示していきたいものだ。その点、この福田恒存の言葉は、とても参考になる。自由とは、自分がやりたい事をやっていくことを決められる。
そこには自分への信頼がある。こういう事をやる能力があるはずだ、だからやる。そして、以上の自分の思いを遂げていくうえでは、そういう国、社会を前提とする。
この自由を認めない勢力、外国の圧力には戦わねばならぬし、国の繁栄のための責任、義務を果たさなければならない。
15、今月の言葉
学び続ける
人間の性質は生まれた時には、ほとんど差がないけれども、学びによって大きく隔たってくる
・・・・・伊與田覺(論語普及会学会)
ひたむき
人間がもっとも美しくみえるとき、それはひたむきに、一所懸命何かに打ち込んでいるときだと私は思う
・・・・・野村克也(野球評論家)
人生の豊かさ
どんな人でも何がしかの素晴らしい役割を持って生まれてきたわけです。その役割を通じて、世のため、人のために尽くすことが大事なのです。世のため人のために尽くすことによって、自分の運命を変えていくことができます。自分だけよければいい、という利己の心を離れて、他人の幸せを願う利他の心になる。そうすれば自分の人生が豊かになり、幸運に恵まれる
・・・・・稲盛和夫(京セラ名誉会長)
「願いに生きる」
この世に生を受けた誰もが、その人なりの願いを持って生きている。自己一身の名利栄達を求める願いもあれば、一切衆生の悩みを救わんとする大願もある。人々の抱く願いは千差万別である。
だが、どんな願いであれ、願いに生きることは尊い。願いを抱いて生きることができるのは、人間だけだからである。
「忘己利他慈悲の極み」と仏教は教える。一つの願いが他者をも幸福に導くものであれば、その尊さはいや増す。何を願うか。どんな願いを抱くか。その内容が人間の格を創る、とは多くの先賢が示すところである。
・・・・・白隠禅師が抱いた願いとは??
自分との戦い
努力とはわがままな自己との戦いになるが、この自己との戦いに勝つことなくしては、とうてい人の名にふさわしい尊い人たることはできないであろう。さぁ、ガンバロウ
・・・・・――平澤興(京都大学元総長)『人生心得帖』
凡事徹底
日常の本当に些細な、他人から見たらどうでもいいようなことであっても、それをコツコツと積み上げていく――。それが人生を変えていく
・・・・・鍵山秀三郎(日本を美しくする会相談役)
幸福の祈り
短い時間でも瞑目し、縁ある人たちの顔を思い浮かべてその幸せを祈ってみられてはどうでしょう。いつしか心が穏やかになり、幸福感に満たされるはずです
・・・・・鈴木秀子(文学博士)
心を定める
道は 心を定めて 希望をもって 歩む時 開かれる
・・・・・松下幸之助(松下電器産業創業者/経営の神様)
素晴らしい人生
災難や苦難に遭ったら、歎かず、腐らず、恨まず、愚痴をこぼさず、ひたすら前向きに明るく努力を続けていく。
これから将来、よいことが起こるためにこの苦難があるのだと耐え、与えられた苦難に感謝する。よいことが起これば、驕らず、偉ぶらず、謙虚さを失わず、自分がこんなによい機会に恵まれていいのだろうか、自分にはもったいないことだと感謝する。
これが素晴らしい人生を生きるための絶対条件
・・・・・稲盛和夫(京セラ名誉会長)
高い頂
一流だと思うこと自体がもう一流でなくなる始まり。もっと上を、もっと高い頂きを目指そうという気持ちを持った人が、やっぱり伸びる
・・・・・今田洋輔(「銀座九兵衛」二代目店主/寿司職人、現代の名工)
ロマン
やっぱり魅力っていうのは、その人にロマンがあるかどうかじゃないですか。夢ですよ。夢を持っている人のところに人が集まってくる
・・・・・早乙女哲哉(天ぷら「みかわ是山居」主人/日本随一の天ぷら職人)
手を合わせて生きる
まず生まれたことの不思議に手を合わせましょう。いま生きていることに感謝をしましょう。そして、いまこうしてこの場で巡り会ったことに手を合わせましょう
・・・・・横田南嶺(臨済宗円覚寺管長)
決して諦めない
如何に長いトンネルでも、掘る手を止めねば、いつかは必ず貫通する
・・・・・森信三(哲学者/教育者)
成功の秘訣
人生はまず自分の手近にある義務を果たすこと。そうすれば自ずから先が見えてくる
・・・・・李登輝(台湾元総統)
知恵の蔵
美しい心を持ち、夢を抱き、懸命に誰にも負けない努力をする人に、神は「知恵の蔵」から一筋の光明を授けてくれる
・・・・・稲盛和夫(京セラ名誉会長)
奇跡
いつ如何なる状況であろうとも、ただ今この場所で生きている、生かされている、この大いなる奇跡に心から感謝して全てを受け入れ、精一杯生きることこそ、真の修行
・・・・・横田南嶺(鎌倉円覚寺管長)
祈り
人力の限りを尽くしたあとは祈るしかない。そういう状態になった時に、天地は不思議な力を与えてくれる
・・・・・『小さな人生論 ポケット名言集』
道は開かれる
憎しみからは何も生まれない。いままでの自分をすべて受け入れたとき、初めて道は開かれる
・・・・・新垣勉(全盲のテノール歌手)
人間の格
希望をもって生きることの出来るのは、人間だけである。希望の内容が人間の格を創る
・・・・・平澤 興(京都大学元総長)
祈り
仕事は祈りである。仕事は人生を内容づけ、価値づけるもので、人生の目的そのものといわれよう
・・・・・平澤 興(京都大学元総長)
願望
脊髄(せきずい)の奥でふつふつと願望をたぎらせていると、天の一角からチャンスが舞い降りてくる
・・・・・渡部昇一(上智大学名誉教授)
未来を創る
自分の意志が未来を創っていく
・・・・・安倍昭恵(内閣総理大臣夫人)
成功するまでやる
成功するまでやる。
成功するまでその志を変えない。
極めて簡単なことだけれど、
往々にしてそれができない
・・・・・松下幸之助(パナソニック創業者)
伸びる人
簡単なことを真剣に聞く人間は強くなる
・・・・・阿部由晴(常盤木学園高等学校サッカー部監督)
成長
壁に苦しみ、悩み、傷つき、苦悶し、格闘する中で、
人は人格を成長させていく
言霊
楽しい楽しいって言っていれば楽しくなるし、
大変大変って言っていれば大変になる。
言葉は言霊といわれるように、たとえ苦しくても口にするのはいつもプラスの言葉だけ
・・・・・浅利妙峰(320年続く糀屋本店女将/塩糀ブームの火付け役)
コツコツ
なんでもないようなことをコツコツ続けていくことで道は拓けてくる
・・・・・鍵山秀三郎(イエローハット創業者)
誠心
誠心誠意やっていれば必ず認めてくれる人が現れる
・・・・・池田武邦(建築家)
天佑
素直な心で自分たちのできる最大限のレベルのことをやっていくと、天佑という出会いがある
・・・・・江見朗(レストラン・エクスプレスCEO)
一途一心
卑屈にならず、ひたすらに、ひたむきに一つのことに打ち込んでいると、あぁこれならできるというものが見つかる
・・・・・天野篤(順天堂大学医学部教授)
生き方
自分の生き方を正すことで、周囲の人たちが正され、
その人たちによって国や社会が正されていくという広がりを持たなければ、
本当の「修身」ではないのでしょう
・・・・・松浦光修(皇學館大学教授)
欠けた心
自分の欠けた心をそのままにしている限り、決して本当の幸福は掴めない
・・・・・安藤大作(安藤塾塾長/生徒数2000人、三重県トップクラスの学習塾に育て上げる)
自信
一日も休まずにやる。それが自信になる
・・・・・小宮正江(ゴールボール女子日本代表主将/ロンドンパラリンピック金メダリスト)
ささやかな
幸せも喜びも、苦しみも悲しみも、ささやかな日常の中に全部ある
・・・・・沢知恵(歌手)
伸びる人
伸びる選手は到達したい目標へ懸ける決意が本物
・・・・・佐々木則夫(サッカー日本女子代表監督)
貫く
大切なのは、抵抗に遭った時、自分の意志を貫くことができるかどうか
・・・・・安岡定子(安岡活学塾 銀座・寺子屋こども論語塾専任講師)
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